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11話*

 朝と夜を幾度も繰り返し、少年だったユキは徐々に青年へと成長していった。薔薇妖精に、温かい薔薇の花びらを浮かべた紅茶と、砂糖菓子以外の食べものを与えてしまうと、成長するのだとコジロウから教えてもらった。イツキはユキの意思を尊重して、ユキを成長させたのだった。  イツキの大好物であるオムライスを、食べてみたいとユキが言うので、手作りのオムライスを作って一緒に食べた。初めてのオムライスに、ユキは目を瞬かせながら一口食べると「美味しい」と顔を綻ばせた。ユキの知らない食べたことのない様々な料理を、イツキが手作りしては、一緒に食べる。ユキにとって一番の好物は、牛乳を混ぜたスクランブルエグになった。スクランブルエッグを食べる時のユキは、花の咲く様な笑顔を浮かべて、とても嬉しそうに、美味しそうに食べる。その笑顔を見るのがイツキは好きだ。  イツキの愛情をたくさん注がれ青年へと成長したユキは、少年の時の面影を残していた。青年にしては、華奢な身体つきで、月の光を浴びたかのような色白の肌で、薔薇と苺の甘い香りを漂わせていた。成長したユキは、ますます可愛らしく、綺麗になっていく。  そうして、イツキは青年へと成長したユキと結婚式を挙げた。コジロウとコジロウの家族と、エミとカオルを招待しただけの秘密の結婚式。物静かな教会で、イツキとユキの結婚式は静かに挙げられた。ユキは幼い頃からの夢だった紅色の薔薇が刺繍された純白のウェディングドレスを着込んで、花嫁となる。照れくさそうに笑いながらもユキは、イツキのことを愛しそうに見つめる。純白のタキシードに身を包み、花婿となるイツキもまたユキのことを愛おしそうに見つめ返した。  人間の青年と薔薇妖精の青年は、教会で永遠の愛を誓い、口付けを交わしたのだった。 *****  太陽が沈み、月が浮かぶ人々が寝静まる夜に、自宅の寝室の大きなベッドの上に座りながらイツキとユキはいた。ユキはどこか視線を彷徨わせながら、落ち着かない様子でいるのが目に入る。イツキはそんなユキの姿に、初々しいと苦笑を零しながら、そっと優しい手つきで頭を撫でる。 「お前が大きくなったら、それ以上の事を教えてやるって言ったな」  その言葉にユキは顔を紅く染まらせながらも、嬉しそうに笑みを浮かべて「はい」と頷いて、瑠璃色の瞳でイツキの柘榴色の瞳を見つめた。 「俺に教えてください、イツキさん」  潤んだ大きな瑠璃色の瞳を見つめながら、イツキはそっとユキの頬に手を添える。そうして、顔を近付けさせるとユキの柔らかい唇に口付けを落とした。ちゅっ、ちゅっと啄む様な口付けから、深い口付けに変えていく。初めての深い口付けに、ユキは気持ち良いのか、蕩けた表情を浮かべながら酔いしれていた。イツキに促されるままに、口をおずおずと開けていく。ユキの咥内に分厚い舌を捻じ込ませると、奥に引っ込んでいたユキの舌と絡ませる。じっくり、たっぷり、ねぶりながら吸い付いた。吸い付く度に、ユキのしなやかな身体は、びくん、びくんと反応していく。先ほど飲んでいたせいか、ユキからは紅茶の味がした。  深い口付けをしながらユキの身体を、そっとベッドの上に押し倒していく。ぽすんと、大きなベッドはユキの身体を受け止める。深い口付けにようやく満足したのか、イツキが顔を離すと、ユキの唇は唾液で濡れてぽってりと紅く膨らんでいた。色白の肌が紅潮しているのを見て、ユキが感じてくれているのだと、イツキは心の中で歓喜した。  ユキの瑠璃色の瞳はイツキの事を見つめていて、この先の行為をもっと強請っているように映る。ユキの寝間着を淫らに脱がしていきながら、ユキの細い首筋に顔を埋める。甘い薔薇と苺の香りが広がってくる。ユキの首を舌でなぞるように舐めて、強く吸い付いては、淫らな紅い花を咲かせていく。淫らな紅い花を咲かせていく度に、ユキは「あっ」と気持ち良いのか、甘ったるい喘ぎ声を漏らすので、その声に、その姿に、イツキはひどく興奮した。胸や腹にも同じように、淫らな紅い花を咲かせ所有の証を残していく。ユキの片足を持ちあげて、色白の肌に淫らな紅い花を咲かせていく。  ユキの平らな胸に顔を近付けると、ふぅっと息を吹いた。「ひゃんっ」と甘い声で鳴いて、もどかしげに身動ぎする姿が可愛らしい。ユキの薄紅色の乳首を、見せつけるようにして赤い舌で舐めていく。じっくりと丹念にユキの乳首を舐めてから、ちゅっと吸い付いた。ちゅうっ、ちゅうっと強く吸い付いていっては、飴玉を舐めるように舌で転がしていく。もう片方のユキの乳首は、指で押し潰すようにぐにぐにと触ったり、引っ掻くように触れたり、ぎゅっと強くつまんだりして弄っていく。その度に、イツキの与えられる強い快楽の刺激に耐え切れないのか、ユキの身体は、びくんびくんとシーツの上で跳ねる。 「ひゃぁあ!い、いつきさ、!」  甘い声で鳴くユキは綺麗だ。ユキの乳首を舐めしゃぶったりして、いじめていた。ふと、視線を下すと、同年代に比べて小さいユキの自身が、ふるふると震えて勃起しているのが見えた。この行為に気持ち良さを感じとってくれる事が、ひどく嬉しい。怖がらせないようにゆっくりと、ユキの両足を広げさせると、イツキは身体を捻じ込ませた。ユキの腰の位置に枕を敷いて、腰を浮かせる様にした。  薔薇妖精は、人間と同じような身体の構造をしている言う話だ。誰にも見せたことが無いユキの後孔はとても綺麗だ。イツキはベッドの傍らに置いてあったローションを、手に取ると蓋を開ける。手のひらで、ひんやりとしたローションを温めながら、指にまぶしていく。細い指でユキの後孔にぷつりと挿入した。後孔は温かくきゅうきゅうイツキの指を締め付けていく。  最初にユキは異物感を感じて「んっ」と声を漏らした。気持ち良くなってもらいたいので、右手でユキの後孔を弄りながら、左手でユキの自身を扱いていく。ぐちゅぐちゅと卑猥な音が寝室に響き渡り、ユキの耳を犯していく。イツキは指を増やしていきながらも、的確にユキの気持ち良い所を見つけては、責め立てていく。その度に、ユキの身体はびくん、びくんと感じ取って、反応してしまう。快楽に弱いユキの事が愛おしくなり、時折、いやいやと首を横に振ってむずがるユキの唇にキスをしてあやす。  じっくりと時間をかけて解していき、ユキの後孔を弄り回していたイツキは、指を三本抜いた。ユキの後孔は、くぱぁと物欲しそうにひくついている姿が、卑猥に映る。イツキが服を寛がせると、イツキの自身を取り出した。ユキの痴態を見て、興奮したのか既に固く大きく勃起していた。初めて見るイツキの自身の大きさに、ユキは羞恥心が沸いたのか、恥ずかしそうに顔を真っ赤にする。 「ユキ……っ」 「きてください、イツキさん」  欲情し切った低音でユキの名前を呼んだ。ユキも期待した様に、そっとイツキの首に腕を回して抱き着き、甘い声で強請る。そうして、イツキはユキの唇に深い口付けを落とす。ユキの解された後孔に擦り付ける様にしてから、イツキの自身をゆっくりと、ずぷずぷと挿入していく。  ユキの体内は、とても温かくきゅうきゅうと歓迎するかのように締め付けてくる。しばらくの間、ユキの体内にイツキの自身を馴染ませる為に動かずに、ちゅっ、ちゅっと口付けをしていた。 「いつきさ、ん…うごいで、いいですよ…」 「ありがとう、ユキ。……うごく、ぞ」  照れながら恥ずかしそうに告げるユキに、イツキは柔らかい笑みを浮かべて、ユキの唇に触れるだけの口付けを落とす。そうして、体内に馴染んだのを見計らって、イツキは律動を開始していく。ぱんぱんと肌と肌がぶつかりあう卑猥な音が寝室に響いた。その度に、ユキの身体は仰け反って喘ぎ声を漏らす。ユキの最奥を目指して突く度に、ユキが蕩けた表情で気持ち良さそうにするのがたまらない。 「っ、気持ちいいか、ユキ?」 「ひゃうっ、ひゃ、ぁんんっ!き、きも、ちいですっ」  甘い声でひっきりなしに喘ぐユキに、イツキはますます欲情をして、身体が熱くなる。ぐちゅっ、ぱん、ぱんとユキの気持ち良い所を擦りながら突いていく。その度に、ユキの体内はきゅうきゅうイツキの自身を締め付けてくるのが、気持ち良い。  やがて、お互いに限界に近付いてきたのか、イツキはユキを抱き寄せて指を絡ませた。ぐちゅぐちゅと淫靡な音を立てながら、ぱんぱんと激しく奥を突いていく。そうして、最奥を強く突いた途端、ユキの自身からは、白濁が撒き散らされた。ユキの後孔が搾り取る様にきゅうきゅう吸い付いてくるので、イツキの自身が大きく勃起したかと思うと、最奥をめがけて、精液を吐き出した。 「……っ」 「あ、あつい……っ」  最後の一滴まで出し切ると、ユキの後孔からイツキの自身を引き抜く。ユキの後孔からは、精液がこぽりと零れ落ちそうになっていた。瑠璃色の瞳を売るわせて、とろとろに蕩けた表情を浮かべて、ユキは自分のお腹を撫でると、幸せそうに微笑んだ。 「俺、イツキさんのお嫁さんになれて、幸せです」 「ユキをお嫁さんにできて、俺も幸せだ」 「これからも、いっぱい愛してください、旦那様」 「ああ。好きだ、ユキ。世界で一番愛している」  ユキの言葉に目を瞬かせながらも、つられて幸せそうに笑う。そうして、ユキの身体を強く抱きしめながら、イツキは甘く蕩ける深い口付けを落とすのだった。  ショートケーキの様に、愛しいお前に、愛の言葉を紡ぐ。

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