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第10話
目が覚めると、目の前にあるのは見知らぬ天井でした。
月雪くんは、気を失った俺をタクシーに乗せて連れ帰って……お待ち帰りしてくれました。
独り暮らしをしていらしい月雪のマンションのベッドの上で、気付け覚ましにと、1回。
体を綺麗にしてあげると、風呂場で1回。
そして今、裸で二人ベッドイン。
もう何もしないよって、まったく信用できませんよね。
力の入らない体をぐったりと投げ出し成すがままにされる。
「呪い解けたなら、もう気を使わなくて良いから…ほっといて」
しつこくキスの雨を降らせてくる男に目線だけで訴える。
「ん~それがねぇ~呪いが凄く強力で周期的に必要なんだよね。もう俺とは1回……3回か。しちゃったんだし。俺にしとこう?」
は?聞いてねぇぞ、後だしじゃんけんみたいな真似しやがって!!
「しかも、効くのは今世だけ、来世に行ったら元通り。あ……でも安心して?前世でお前が死んだ瞬間に魂の縁を結んだから、お前がどこの世界、どの時に生まれ変わっても、俺もお前の側に生まれ変わるから……来世も、来来世も、来来来世もずっと一緒だよ」
つまり……俺は何度生まれ変わってもお前に犯られ続ける運命なのか!?
………………。
ふ……ふざけんなぁっっ!!!!
俺の心の叫びは時代を越えて、来世の……来来世の俺の心の叫びと重なった。
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