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第9話

「ふあっ!?」 自分でも中々触れない部分に冷たい液体をいきなり塗りつけられ撫でられる。 少しずつ侵入してくる月雪の指に鳥肌がたつ。 タイミングを見計らってクプリと埋め込まれた指が、グリグリと検診するような動きで、俺の内部を探ってきた。 ローションのおかげで痛くはない。 痛くはないが、気持ち悪い。 いつもは閉じている場所だ。 無理矢理開かせようとする異物を排除しようとピクピク締まる。 「可愛いなぁ~おねだりされてる気分。でもまだ駄目だよ。もうちょっと解してからじゃないと和也が壊れてしまう」 欲に濡れた瞳で月雪は、また濃厚な噛みつくようなキスをしてくる。 「ふあん、あっ、あぁ、やん」 「もう~!可愛すぎ!前世含めて60年も待たされたんだから、そんな可愛い声聞かされたら、我慢出来なくなっちゃうよ」 俺の中の指の動きが激しくなる。 「やっ!優しく…そんなにかき混ぜないでぇ…っ!ひぁっ!!」 ある箇所に触れられたとき、思わず体がはねた。 それを見逃さずに、月雪は執拗にその箇所を刺激してくる。 「和也のトロットロ、感じてくれてんの?嬉しいなぁ」 ローションがグチュグチュと音をたてながら月雪の指の動きを俺に伝えてくる。 同じ男に穴を暴かれ、屈辱と嫌悪と絶望を感じているのに与えられる刺激に抗えない。 少なからず白昼夢の影響を受けているのかもしれない。 「ねぇ…どんな幻を見せられてきたの?甘いの?激しいの?和也はどんな風にされたい?呪いなんかに負けないくらい、俺が愛してあげる。いっぱい、いっぱい俺が和也の中に出してあげるね」 ユリウス王子は女好きではなかったのか?月雪も女の子たちとヨロシクしていたじゃないか。何故、わざわざこんなことをする?しかも前世から追いかけて来てまで。呪いを変わりに受けた配下への罪悪感か?それとも同情?憐れみ? カイルは王子の為に身を投げ出したのだ。 王子が幸せになることを望んで身代わりになった。 こんな責任を押し付ける為ではないはずだ。 「月雪…」 「名前で呼んで?和也」 甘い声を耳に落とされ、耳たぶをあまがみされる。 「み……雅…呪いを解くなら……別にお前じゃなくても……」 ピシッと、空気が裂ける音が聞こえませんでしたか?月雪の背後から黒いオーラが発生している気がする。 なのに満面の笑顔なのが逆に恐い。 「へぇ……俺じゃなくて誰?武田?山本?いつも俺の目の前でイチャイチャしてくれてたもんね。本当……こんな状況でそんな事言うなんて煽るの上手いよね。俺、優しくしてあげられないや……そうか、和也は激しいのがお好みのようだね」 にっこりと微笑み、チュポンと指が抜かれた。 「はんっ……」 指を抜く動きすら敏感に感じとってしまう。 そんな敏感になった箇所に押し当てられたモノ……。 アレですか!?アレですよね?月雪さんの息子さんですよね? 俺の処女喪失が目前に迫ってますっ!! 「やっ………」 クプリとした感触に背筋が凍る。 「ぐ……ぐはっ!!」 色気も何もあったもんじゃない悲鳴がでる。 無理やり奥まで突き入れられた。 痛い…じわりと涙がにじむ。 「痛い…痛いよぉ……うぅ……」 じくじくと患部が痛む。 「ゴメンね。でも和也が悪いんだよ。俺じゃないやつに抱かれようだなんて冗談でも言っちゃ駄目だよね」 俺の目尻に溜まった涙を舐めとると、律動を始めた。 「やっ!動かないでぇ!」 ゆっくりと長いストロークで、俺の中を確かめるように月雪は腰を動かす。 痛いし、気持ち悪いし、最悪だ。 「動かないと気持ちよくならないじゃん。俺が和也のここに精液いっぱい出さないと呪いも解けないんだけどなぁ……和也、突っ込まれ損だけど止めても良い?」 突っ込まれ損ってなんだよ!! じゃあ今すぐだせよ! 突っ込まれるだけ突っ込まれて、呪い解けねぇなんて最悪の極みじゃねぇか!! 「じゃあ、抜くね」 月雪のモノが俺の中から抜けそうになる。 「まっ!待って!!抜かないで!呪い解いてぇ!!雅の精液いっぱい頂戴!!ひゃっ!!」 言うが早いか俺の奥まで月雪のモノが帰ってきました。おかえり。……おかえりじゃねぇ!待て!激しい!!いきなり激し過ぎるだろ!! 「あっ、はげしっ!!はぁん、ふあぁっ!やぁっ!!」 おぅ……激しく揺さぶられ過ぎて寝不足の俺はもうグロッキーだ、さっさといけよ!ちくしょう! 「はぁ……和也、可愛い。可愛いよ和也……はぁ…」 イケメンのはぁ、はぁ、はセクシーですな。 耳にゾワリと来ますわ。 息もあがって辛い事でしょう。良いよ。さっさと俺の中にぶっぱなしてさっさと出ていけ。呪いさえ解ければ、お前に用はない!! 「なに考えてんの?和也のキュウキュウ締め付けてくる…ふふっ…ほらまた……そんなに締め付けられたらいっちゃいそう」 ならいけよ!我慢することないだろう!! 「もっとゆっくり和也の中に味わいたかったんだけどなぁ……ねぇ?もう中に出して欲しい?」 「はぁ、はぁ……欲しい……あっ、やっ!やっ!」 俺の中でまた月雪のモノが膨らんだ。 どこまでデカくなるんだ。 終わらせてくれる気になったのかより強く、より深くまで月雪が入ってくるのと同時に、月雪の手が俺のモノをしごいて、擦って、頭の中もぐちゃぐちゃで……。 「あっ、あっ、雅のはやく欲しい!雅の精液、中にいっぱい欲しいぃ!!あっ、あっ、はっ、俺の中、雅のでいっぱいにしてっ!!」 「うっ……!」 「はあぁぁぁ…」 小さく月雪が声をあげ、俺の中に温かいモノがじわりと広がる。 同時に俺のモノも果てて、俺の腹を濡らした。 終わった……男としての俺もなんか終わったが、これで呪いが終わったんだ。 明日からは平穏無事な生活が戻ってくる。 安堵して俺は目を閉じた。

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