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第17話 誰でもいい訳じゃない10(坂城恭治)

「かわいくない。やり直し」  俺が恥を捨てて頼んだというのに、恭にいはすげなく却下し、乳首への愛撫をやめようとしない。俺にあの単語(・・・・)を言わせたいのだ。  精通を迎える前から軽い悪戯をしていたことからもお察しかと思うが、やはり恭にいには特殊な性的嗜好があるようだ。これは、間違いない。 「なぁ……恭にいって……ショタコン?」    薄々勘づいてはいたが、これはもう確定だ。自分で言うのも悲しいがB専のペドだ。いや、そういう嗜好の人からすれば年齢が幼いというだけで可愛く見えるのだろうか。そう言えば、恭にい以外から“かわいい”と言われたことはないのではなかろうか。  考えれば考えるほどそうとしか思えない。  しかし、当の恭にいは俺の質問が不服らしく、抗議のつもりなのか甘噛み中だった俺の左乳首に思いきり歯を立ててきた。 「痛いっ!って!」  それなりに手加減はしてくれているはずだが、それにしても痛い。  涙目になりながら、比較的に自由な足で攻撃を仕掛けるも、なんの効果もないどころか振動で噛みつかれている乳首が痛い。快感にも弱いが、痛いのにも滅法弱い。 「もう……」  俺が諦めて溜め息を吐くと、恭にいは待ってましたとばかりに悪い笑顔を作り、視線を合わせてくる。  ガン見されてるほうが言いにくいのだが……。ためらいながら口を開く。 「お、ちんちん。おちんちん触って」  言いにくい言葉を、ようやく言い切ったというのに、恭にいは視線だけで続きを促す。  屈辱的だと思う反面、可愛がっても欲しいとも思う。最近は願わなくても──時に強制的に──与えられることに慣れていたのかもしれない。  思えば、恭にいとこうして触れあうのは実に久しぶりだ。 「……お願い」  恭にいが求めているであろう言葉を発すると、悪い顔はとびきり甘い顔になり、この人に今までひどく焦らされていたこと嘘のように感じられた。 「仰せのままに」  先程までの悪魔のような仕打ちを溶かしてなかったものにでもするかのように、優しく俺のモノに触れると、恭にいはゆっくとしごきだした。  しかし、焦らされまくった俺には、その生易しい刺激は物足りない。 「気持ちいい?どうして欲しい?」 「口で、して」

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