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君に花の祝福を―2―

「今日はな……モユルとリナだけじゃなく、お前とリヒトの結婚式もしてしまおうと思ってな」 心から愉快そうにユミルさんは大声で笑い、バンバン俺の背中を叩いてくる。 俺とリヒトの結婚式……!? 「え!?聞いてない!?あ……この衣装やっぱり!!」 白いロングのローブだが、やけにゆるゆる、ふわふわしていると思った。 コレが伝統的な衣装ですと言われて着たけど、マーニャさんは黒いシックなワンピースだし、ユミルさんも黒い詰襟だし、おかしいとは思っていたんだ。 マーニャさんとユミルさんをジトッと睨む。 「だって本当の事言うと、お前は恥ずかしがって逃げただろ?」 う………そうだね。 今、逃げ出したい。 王子スマイルで近づいてきたリヒト。 白い詰襟のタキシードが王子感を際立たせている。 眩し過ぎて目がつぶれそう。 手を取られ、手の甲にキスをされた。 「今日のサクラは一段と綺麗だ。今日この日の幸せをお与え下さった世界樹様へ感謝致します」 そういって俺の頭頂部………モユルがはえていた辺りへキスをした。 歯の浮くような台詞にアバアバなりながらリヒトに手を引かれて正面へ進む。 「母上、今日この式を見守る神は幸福者ですね。こんなに美しい姫を同時に二人も見ることが出来るなんて……」 モユルの台詞に俺は砂を吐いた。 嫌だ、この親子 神父様の言葉を復唱して、神に誓いをたてる。 この国の神様は男性の神様のようだ。 小さな像が正面にある。 リヒトとリナ……そしてユミルさん……幸せそうに笑っている。 世界樹……春姫様に見て貰いたかった。 春姫様……桜の木……俺はあなた達の願いを叶えてあげられたでしょうか? 《私の願いは……あなたの幸せも入っていますよ……幸せにね……悠壱》 「桜の木………?」 「どうしました?」 覗きこむリヒトに何でもないよと答え、上を向いた。 ありがとう……俺、幸せだよ。 これからもリヒトと……皆と……ずっと一緒に……幸せを作っていく。 神父様の言葉に導かれて、リヒトと誓いのキスを交わす。 唇を離して見つめ合う……今更だと思っていたのに、厳かな空気に気が引き締まった。 リヒトとともに人生を歩んでいくんだと、再認識した。 突如、外がガヤガヤ、ザワザワと騒がしくなる。 何だろうと、皆で顔を見合わせて外に出ると……。 舞う、桜吹雪…………。 ひらり、ひらりと桜色の花びらが、俺たちの結婚を祝福する様に舞い降りてくる。 不覚にも涙が溢れた。 『幸せになってね……私の子供達……』 桜吹雪の向こうで、春姫様が微笑んでいた気がした。 リヒトの胸を借りても、桜吹雪が止んでも……俺は涙を止められなかった。
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