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プロローグ〜始まりの青〜

俺さえいなければ母さんが死ぬことも、父さんが死ぬこともなかった……。 なんで俺は生きているんだ? 誰かを不幸にすることしかできない自分なんて消えてしまえばいいのに。 (もういっそ、このまま海に飛び込んで終わらせてしまおうか。) そう思って一歩足を前に進めた その時だった…… 「君!何してるの!?」 誰かが俺の腕を掴んだ。 「!!!!?」 俺はそいつの手を振り払おうとした。 「離せよ!」 「嫌よ。絶対に離さない!あなた今死のうとしてたでしょ?何があったかは知らないけど命を簡単に捨てたりしてはダメよ!」 そいつは離すどころか腕を掴む手の力を強めてきた。 加えて説教までしてくる始末だ。 「俺がどうしようとあんたには関係ないだろ!?ほっといてくれ!!!!」 「生きたくても生きれない人だっているの!君が捨てようとした明日は誰かが生きたかった明日かもしれないのよ!?」 「そんなの俺には関係ない!!」 「そうね……そうかもしれない。でも私は君に生きることを諦めてほしくないの。歩みを止めてほしくない。それによく考えてみて?目の前で死のうとしてる人を見て止めない人がいるかしら?私はそんな奴はそうそういないと思うわ。」 「………………」 「生きてさえいれば変わることだってある。良くも悪くもね……。生きるために苦しいことから逃げるのはまだいい。立向かえるようになってから戦えばいいんだもの。だからお願い、生きることからだけは逃げてしまわないでーーー」 目の前には青が煌めいていたーー

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