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第1話
誰かの声がするーーー
「……ま。ゆ…ま。ゆうまってば!!!」
耳元で聞こえた声に思わず飛び起きた。
「ん……。何?って誰かと思ったら和かよ……」
「何?じゃないよ!学校とっくに終わったよ?」
和の言葉を聞き時計を見ると終わってから30分以上経っていた。
(お昼食べた後からの記憶がほとんどねーよ。俺どんだけ寝てんだ……)
「あー、帰るか。」
「そーだね。てか、顔色悪いけど体調大丈夫なの?最近気温の変動激しかったから風邪ひいたんじゃない?ここ数日咳もしてるし。」
たしかに最近あんまり体調がよくなかったがこの程度は割といつものことなので気にしていなかった。
ぶっちゃけ今は寝てる間に見た夢のことのほうが気になっていた。
(懐かしいな……)
そんなふうに懐かしい記憶を辿ってボーっとしていた時だった
「やっぱりボーっとしてるし体調も悪そうだから湊さん呼ぶか……」
「「「兄さんは呼ぶな!!!」」」
和の言葉に思わず大声で叫んだ。
そんな俺の反応に驚き、さすがの和も兄さんに連絡するのはやめた。
「もーびっくりしたわ!そんな大声で言わなくても分かるって(苦笑)湊さんを呼ばないであげる代わりに俺が家まで送るからな!」
「は!?別に1人でも平気だよ。」
「送っていくのがダメだっていうなら湊さん呼ぶからね」
別に1人でも帰れるのにと思いながらも、兄さんを呼ばれるよりかはマシなので、渋々ではあるが和に送ってもらうことにした。
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