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第15話

「お待たせ。乗って。」 先輩がまわしてくれた車に俺と碧海は乗り込んだ。 「えーっと、とりあえずどこに行けばいいんだ?」 久我野は行き先を湊に尋ねた。 「あ、俺の家に行ってください。そのあとは自分で車出すので。」 「湊の家ね。てか、そのあとはどこに行く予定なのよ。」 「病院です。」 「病院?家族の誰かになんかあったのか?」 「あー、はい。弟が体調崩しちゃって。」 「そうだったのか。だったら病院まで俺が送るよ。」 「いやいいですって!家に行けば車ありますから!」 「いーやダメだ。少なからず動揺してんだろ?そんな状態で車運転したら危ねーだろうが。」 「ですよね。俺も同感。」 ずーっと黙っていた碧海が先輩の意見に同調した。 「ちょっ碧海まで……」 「家まで送ってもらうなら病院まで送ってもらえばいいだろ?」 その後も2人に説得され結局俺が折れた。 家に着き、侑舞が入院するのに必要なものをカバンに詰め込んで先輩と碧海が待つ車へと急いだ。 「すいません。お待たせしました。」 「全然待ってねーから大丈夫だ。忘れものはないか?」 「はい。また必要なものがあったら取りに帰ればいいので大丈夫です。」 「んじゃ病院に向かうか。病院の名前って何?ナビに登録したい」 「白鳥総合病院です。」 「おっけー」 ナビの設定を終えると再び車は走り出した。

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