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第16話

「ん…………」 (あれ?ここどこだ?) まだ頭が覚醒していなかったため、侑舞はここがどこなのか分からなかった。 全体的に白い部屋を見て、そういえば病院に来て入院することになったんだったなと、思い出した。 そして、どうやら俺はいつの間にか眠ってしまったらしい。 まぁ眠っていたといっても、何時間も寝ていたわけではなかったが。 でも少し寝たからか、身体もいくらか軽く感じた。 一度起きてしまったら、また寝れそうもなく、窓のほうを見た。 (空綺麗だな…………) 外に広がる空に魅了され、もっと近くで見たいと思った。 空に近づくためにベッドから抜け出して屋上へと足を進めた。 「ゴホゴホッ」 途中で呼吸が苦しくなりながらも足を止めることはなかった。 ただただ、あの空だけを目指していた。 「はぁはぁ……、着いた。」 辿り着いときには、さすがに身体も限界だった。 侑舞はその場に座り込み空を見上げた。 (この青に溶け込めたらいいのに) いつだって俺はこうだ。 変わりたい、強くなりたいと思って努力しても、結局誰かしらに迷惑をかけてしまう。 俺のせいでみんなが不幸になる。 母さんは元々身体が強いほうではなかったらしく、俺を産んだときに亡くなった。 父さんは俺が入院することが多かったから日々仕事におわれていたし、俺の見舞いに来る途中で事故にあい、帰らぬ人となった。 兄は父の死後それまで以上にバイトに励むようになった。 全部が全部俺だけのせいというわけではないのかもしれない。 でも俺に関係ない出来事は1つも無かった。 俺のせいで家族を不幸にしてしまったという思いが強かった。 病院の医師をはじめ、他の人にそんなことはないよと言われても、自分のせいでという思いや、罪悪感が消えることはなかった。

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