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第21話

(先生ごめん。やっぱ俺には無理だ。誰かを苦しめながら生きることなんてできない。こんな俺が幸せになんてなれるわけがなかったんだよ。) 心の中で先生に謝りながら手すりのほうに足を進めた。 ここの屋上にある手すりは簡単に超えられる高さだ。 (ここから飛べば全部終わる。兄さんを解放してあげられる。) 手摺を超え、地上を見てから空を見上げた。 見上げた先にはどこまでも美しい青い空が広がっていた。

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