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第23話

碧海side 「はぁはぁ…………」 碧海は息を切らしながら屋上へと続く階段を駆け上がった。 そしてようやく屋上の扉の前に着いた。 (いませんようにーーー) そう願いながら碧海は扉を開いた。 (は!?ちょっと待てって!!) 扉を開けて目に入った光景に思わず息をのんだ。 それもそのはず、だって扉を開けた先には今にも飛び降りそうな男が1人いたのだから。 気づいたら身体が勝手に動いていた。 そして手摺の向こうにいる男の腕を掴んだ。 「お前何やってんだ!死ぬ気か!!!」 そう怒鳴りながら男を自分側に引っ張りこちら側へと戻した。 するとその男は俺が屋上に入ってきていたことに気づいていなかったようで、驚いたようにこちらを振り返った。 男が振り返ったことでようやく顔を見ることができた。 (間違いない。湊が送ってきた写真の子だ。) とりあえず間に合ったことにホッと息を吐いた。 そして手摺から距離をとった。 すると安心したのも束の間その子が突然涙を流し始めた。 「え!?どうした!?」 さすがの俺も驚いた。 「何で?何でみんな俺のこと助けるの?何で死なせてくれないんだよ!」 その子は叫ぶようにそう言った。 俺にはその叫びが彼からのSOSのように感じた。

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