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第24話

「ねぇ、逆に聞くけどさ何で君は死にたいの?」 するとその子はまさか質問されると思わなかったのか驚いたような表情をした。 「俺のせいでたくさんの人に迷惑かかるし、幸せになれない人がいるから。」 (なんかさすが湊の弟って感じだな。人に迷惑かけちゃうとか言ってることそっくりすぎ。) 兄弟揃って誰かに甘えるってことを知らなすぎる。 「そんなもんじゃねーの?生きるってそういうことだろ。誰にも迷惑かけずに生きてる奴はいないと思うけど?俺だってそうだしさ。」 「でもみんなは迷惑かけたとしてもその分どっかで返してますよね?俺は違うから。誰にも何にも返せてない。」 「別に今すぐ返さなきゃいけないわけじゃないっしょ?返せるときに返していけばいいだけの話。てかさ、自分がそう思ってるだけで案外相手は迷惑だと思ってなかったりするもんだぞ?それとも何、迷惑だって言われたわけ?」 「言われてないけど」 「ならお前がいくら考えたって仕方ねーじゃん?まー、ここで話しててもなんもしょうがないからとりあえず病室に戻ろう?」 「嫌だ。俺はここにいるからほっといて。」 (やっぱダメかー(笑)こうなったらしょうがねーな。俺はなんも悪くねーぞ) このままでは埒が明かないので、その子を横抱きにして出口へと歩き出した。 すると、まぁ当然暴れだすわけで 「暴れると落ちるから大人しくしといたほうがいいよ」 すると、あんなに死にたいと言っていたのに落とされるのは嫌らしく大人しくなった。 「きつかったら寝ててもいいから。」 そう声をかけて病室に向けて歩き出した。

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