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第39話

和田は、話を聞いてからずっと思っていたことを姫宮に言った。 「なんかこの兄弟はそっくりですよね。」 そう言った和田に、姫宮は笑いをこぼしながら答えた。 「自分のことより、相手のことのほうが大事だからねあの2人は。不器用なのよ。ちゃんと話さえすれば拗れないのに、相手をこれ以上傷つけたくない、苦しめたくないから伝えない。自分が我慢すればいいってね。それでいて、相手のためにしてるのに、何かあれば自分のせいだーってね。お前らは本当にーって言いたくなるでしょ?」 「全くです。俺、湊君にちゃんと向き合いなさいって言っちゃいましたよ。」 「えー?(笑)言ったの!?さすがだな~。やっぱ和田ちゃんに任せてよかったわ。私の読みは間違ってなかった!!」 「⋯⋯ 果たしてそうでしょうか?姫宮先生に気を付けて見ておくよう言われていたのに、結局こんな事態になってしまったんですよ?」 「医者だって人間だし、そもそも一人の患者に付きっきりではいられない。仕方ないことだと思うわ。今回はあの子のことだから、定期健診以外ほとんど病院には行っていなかったんじゃない?」 「ですね。久しぶりでしたよ。」 「ちょくちょく来ていたなら些細な変化に気づけるけど、そうでないなら難しいと思う。あんまり責任感じないほうがいいわよ。患者に何かある度に心を痛めていたら今度はあんたが潰れちゃうわ。」 「そうですよね。」 「和田、大事なのは次どうするかよ。分かるわね?失敗したっていいの。そこから何を学ぶかが大切なんだからね?」 「はい。」 すると電話の向こうからコールの音が聞こえた 「悪い呼び出しだ。もう切るわね。」 「はい。ありがとうございました。あとは何とかやってみます。」 「うん。またなんかあったら連絡して!できる範囲でフォローするから。」 「分かりました。じゃあまた連絡します。」 「ええ、あの子たちのことよろしくね。あーそうだ、そう遠くないうちにそっちに戻れそうだからその時はまたよろしく。」 「はい!それでは失礼します。」 通話を終えた和田は自分の頬を両手でパンッと叩くと椅子から立ち上がり、侑舞と湊の様子を見に行くために病室へと歩いて行った。

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