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第53話

湊は会話をする2人を、ニコニコと見ていた。 そしてそうだったと言わんばかりに、碧海と久我野の紹介を始めた。 「というか侑舞に紹介しなきゃだね。侑舞を昨日運んでくれたのが、俺の友達の多賀碧海で、もう1人が同じ学部で仲がいい先輩の、久我野先輩!」 「よろしく」 「よろしくね。」 よろしくと言った2人に、侑舞は軽く下げた。 「てか、なんで湊は俺のことだけ苗字しか言ってくれないの(笑)」 それは侑舞もちょっと思った。 「あれ?そうでしたか?」 「うん。そうだったよ(笑)」 それに碧海と侑舞も同調するように、うんうんと頷いていた。 「侑舞くん俺の下の名前、眞希だから!苗字でも下の名前でも好きなように呼んで。」 「えーっと、じゃあ久我野さんって呼びます。さすがに年上の方を下の名前で呼ぶのは抵抗あるので。」 その後、少し話したところで、湊があの話を切り出した。 「侑舞、碧海がね侑舞と2人でゆっくり話がしてみたいんだって。どうかな?」 「俺と?別にいいけど……。」 「ほんと?良かったね碧海!」 「あぁ。ただ喋るのもあれだから、侑舞くんさえ良ければ体調が戻ったら俺と食事にでも行かない?」 「良いですよ。」 「それじゃあ、とりあえず連絡先交換しないか?日程や場所のことも相談したいし。」 碧海のその言葉に侑舞は頷き、携帯を取り出して連絡先を交換した。 その流れで、久我野も侑舞と連絡先を交換した。

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