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第52話

侑舞が寝ているかもしれないからと、湊だけがとりあえず病室に入ることになった。 そーっとドアを開けて入ると、起きていたらしく音で気づき、侑舞がこちらを振り返った。 「起きてたんだね。身体起こしてて大丈夫なの?」 「うん。ついさっき起きたんだ。寝たら少しはマシになったよ。」 「そっか!でもあんまり無茶しちゃダメだからね。」 「分かってるよ。そういえば言ってた友達は?迎えに行ったんじゃなかったの?」 侑舞に言われて、碧海たちを外に待たせたままだったのを思い出した。 「侑舞が寝てるかもしれないからって、外で待っててもらったんだ。今呼んでくるね!」 そう言ってドアの向こうで待っている2人に声を掛けに行った。 「待たせてゴメン。侑舞起きてたから入って!!」 2人を中に入れたら侑舞が驚いた表情をした。 「侑舞?どうかした?」 「えーっと、その、そっちの人」 そういって碧海の方を指さした 「碧海?碧海がどうかした?」 「昨日の……」 昨日という単語で湊はようやく侑舞が言いたいことに気づいた。 「あー!覚えてた?侑舞を病室まで運んでくれた人だよ!!」 すると侑舞はやっぱりという顔をした。 そして碧海の方へもう一度視線を向けた。 「あの、昨日はそのー、いろいろとご迷惑おかけしてすいませんでした。あと、病室まで運んでいただいてありがとうございました。」 そう言って頭を下げた。 「いーえ。俺が勝手にしたことだから気にしなくていいよ。」 碧海はそう言って笑いかけた。

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