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第51話

湊は、碧海が来るまでの時間が暇だったので、スマホを弄りながら到着を待っていた。 そろそろかなと思い、顔を上げるとちょうど入ってきたところだった。 碧海だけだと思っていたら久我野先輩も一緒だったらしい。 「碧海!」 碧海の名前を叫ぶと、こちらに気づき手を挙げてこっちに歩いて来た。 「久我野先輩も一緒だったんだね。碧海だけだと思ってた。」 そう言うと碧海は、あーという顔をして 「ゴメン。俺さ、家出るときに先輩も行きたいんじゃないかなと思って連絡したから、湊に連絡入れるの忘れてたわ。」 「忘れられてたのか俺は」 その会話に3人で笑い、湊は2人に来てくれたお礼を伝えて侑舞の病室へと向かった。 「そうだ、言っておかなきゃいけないことがあった。侑舞なんだけど、もしかしたらまだ寝てるかもしれないから。碧海を迎えに行く前に起きたんだけど、また寝かせたんだ。」 「了解。あ、そうだった。湊、昨日言ってたお礼の件だけど、」 「あー、あれね!決まった?」 「まぁな。欲しいものは見つからなかったんだけど、俺、湊の弟と話してみたいんだよね。」 「侑舞と?うーん。本人がいいって言えば俺は構わないけど。またどうして?」 「なんとなく気になったから。」 「ふーーん。碧海が誰かに興味持つなんて珍しいね。基本自分から関わろうとはしないのに。」 湊の言う通り碧海は基本的に交友関係は広く浅くだ。 寄ってくるのも、離れていくのも、お好きにどうぞって感じで友人と呼べる人間は少ないし、碧海自身が興味を持つ人間も少ない。 「まぁな。自分の周りにはあんまりいないタイプだからじゃね?」 「とりあえず侑舞に聞いてみるよ。」 「頼んだ。」 そんな会話をしていたら病室に着いたので、全員が静かになった。

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