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第55話

碧海side 侑舞くんの見舞いに行き、なんとか食事に行く約束を取り付けることができた。 その後も雑談をしていると、さすがに侑舞くんに疲れの表情が見えてきたので、解散することになった。 申し訳なさそうにする侑舞くんに、また来るからと言い病室を後にした。 帰りの車中には異様な緊張感が漂っていた。 一見普通に話をしているようだが、今さっきから久我野が何か言いたげなのだ。 いつ言い出すのかなと、碧海もうまく間を作るが言うかと思ったらまた飲み込んでを久我野は繰り返していた。 さすがに碧海も痺れを切らし久我野に問うた。 「なにか言いたいことがあるなら、さっさと言ってくださいよ。正直めんどいです。」 「めんどいっって!!!俺一応先輩だぞ!?」 「俺嘘は言えないんで。いつまでも言わないでうじうじしてる方が悪いでしょう?ほら、早く言ってくださいよ。」 「分かったよ言うよ!その代わり引くんじゃねーぞ?」 そう言うと久我野は深呼吸をしてから話し出した。 「実は俺さー、湊のことが好きなんだよね。」 「あーそうなんですねー……って、は!?」 「あはは~、やっぱ引くよねー」 「いや、ひきはしませんよ。驚きはしますけど。一応そういうのに免疫はあるんで。」 「そーいえば碧海と湊は同じ男子校出身だったな。」 「はい。」 そう、久我野が言う通り碧海と湊は男子校出身だ。 当然男同士で付き合っている奴らもいたし、自分自身も付き合ってこそいないが、やっぱり溜まるもんは溜まるので適当に何人かと体の関係を持ったことはあった。 「湊って誰かと付き合ってたりしたの?」 「うーん。特に聞いたことはなかったですね。告白はされてましたけど全部断ってたみたいですし。」 「そっかー」 「まぁ偏見とかはないと思いますよ。俺らの友達にも付き合ってる奴いましたけど嫌そうな雰囲気なかったし。むしろ、2人をくっつけようと裏で他の奴らといろいろやってたくらいですからね。」 「なるほどねー。じゃあ可能性は0じゃないってことか。」 「まぁ断言はできませんけど頑張れば可能性はあるんじゃないですか?」 「よしよし。がんばろ!」 「できる範囲で俺もフォローしますよ。」 「まじで?ありがたい」 そんなこんなで、碧海は久我野のサポートをすることになったのだった。

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