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第56話

姫宮side 和田の電話から6日後、姫宮は予定通り日本に帰ってきた。 明日からまた白鳥総合病院で働く。 外科医としても働けるのだが、病院の方針でとりあえずは精神科医の方をメインとして、忙しいときなどにフォローに入る形となった。 「はぁ~。やっぱ日本がいいわー。」 そう呟くと自宅へと歩き出した。 翌日の朝、病院までの道のりを懐かしみながら進んだ。 医局に行くと知った顔が皆、駆け寄ってきた。 「姫宮先生~!!!おかえりなさーい!」 それぞれが私がいなかった間に起ったことを、次々に話し出す。 もはや収拾がつかなくなっていた。 そこへ精神科の部長がやってきて何とか落ち着いた。 「えー、もう知っての通り、今日から我が精神科のエースである姫宮が戻る。外科が忙しいときはそちらの応援に行くこともあるが、暫くの間はうちでの業務がメインだ。せっかく戻ってきてくれたわけだから、関りがあった者も初めての者も盗めるもんは盗め。こいつは基本口では教えてくれないから見て学べ。じゃあ姫宮、初めましての奴もいるから挨拶してくれ。」 「ただいまご紹介に与りました、2年前までここで働いていた姫宮莉琴と申します。外科医としての腕を磨くために、約2年間の間アメリカに行ってました。今日からまたお世話になります。1日でも早く精神科医としての仕事の勘を取り戻すために頑張ります。これからどうぞよろしくお願いします。」 そう言って頭を下げた するとよろしく~という声と共に拍手が起きた。 「よし、紹介も済んだことだし、仕事を開始しようか。」 部長のその言葉で各々の作業を始めた。 「で、姫宮には今日からまた榊侑舞くんを担当してもらうから」 「だと思いましたよ。」 「あはは。姫宮がいない間ベテラン勢を筆頭にいろいろやってはみたんだが、全滅でね。ついにはカウンセリングに来なくなってしまったんだ。」 その言葉に思わず溜息が漏れた。 「何してるんですか……。」 「頑張ってはみたんだよ!結局和田先生としか、まともに話をしてくれなくてね。まー、そういうことだからよろしく頼むよ。」 「はぁ……分かりました。病室どこです?」 「504だ」 部長の言葉に片手をあげて返事をし、侑舞くんの病室に向かった。

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