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第72話
噴水の傍にはベンチがあり、湊と久我野の2人はそこに座った。
先ほど碧海にLINEしたら、碧海も早めに行くつもりだったらしく、そう掛からずに大学に着くそうなので、先輩に言って碧海が来るまで待ってもらうことに。
別々でもいいのだが、どうせ同じ話をするので一回で済むならそれに越したことはない。
碧海が来るまでは先輩と他愛ない話をしていた。
碧海は結構近くまで来ていたようで、思っていたよりも早く来た。
「おはよ。遅くなって悪い。」
「全然いいよ。こっちが呼び出しちゃったんだし。」
「てか、久我野先輩も一緒だったですね。」
「まぁな~。途中でたまたま会ってさ。」
「なるほど。そういうことですか。」
「で?話あるんじゃないのか?」
2人の会話をボーっとしながら聞いていたら、碧海にそう言われハッと我に返った。
「えーっと、うん。そう。」
「????なんだよ歯切れ悪いな。そもそもどんな話をしようとしてるの?」
「その……侑舞、俺の弟とのことで、2人に相談したくて。」
その言葉に先輩が少し不思議そうに聞き返してきた。
「侑舞くんとのこと???」
「ええ。まぁ。」
なかなか話し出せない湊とを急かすことはなく、ただ話し出すのを待つ。
「弟君と何があった?一昨日までは別に何ともなかったし、昨日退院だったんだろ?退院してから何かあったのか?」
碧海がそう聞くと湊は少しずつ何があったのかを語りだした。
「実はーーー」
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