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第73話

湊は2人に昨日話し合ったことについて、すべて話した。 「なるほどねー……」 「最後はお互いに何も話さずに沈黙だけが続いて、俺が話し合いを終わらせた。で、今朝は何となく気まずくて、朝食だけ用意して侑舞とは顔を合わせずに出てきたんだ。」 すると碧海が 「さすがにそれはまずくないか?いくらなんでも、あからさますぎるだろ。」 と言った。 碧海の言葉はもっともだった。 「まぁまぁ、湊だって分かってるんだろうからさ、あんまり言ってやんな。」 「別に事実を言っただけですよ。で?湊はこれからどうしたいの?」 「分からない。このままじゃダメだってことだけは分かってるんだけど、もうどうしたらいいのか……」 そう言った湊に2人も難しい顔をした。 「今、少し考えてるのは、1回家を出て侑舞と距離をとろうかなって。今のままじゃお互い苦しいだけだし、いい方向に行くとは思えないから。」 すると碧海がすぐに反応してきた。 「俺は反対だ。今離れたらどうなるか、お前は分からないのか?」 「多賀、落ち着けって。」 「先輩もまさか分からないんです?」 「これは湊と侑舞くんの問題だろ?湊が決めたことに口出す権利は俺らにはないだろう。」 「それを言ったら、そもそも湊が俺らに相談を持ち掛けたこと自体が間違えってことになりますけど?意見が聞きたいから相談してきたんでしょう?湊は。」 「だとしても言い方ってもんがあるだろう!」 2人が言い争い始めてしまい、場の空気が一気に悪くなった。 「久我野先輩も碧海も喧嘩はやめて!!!俺が悪かったから、お願いだから2人が言い争うのはやめて……。」 湊の言葉に、2人は黙った。 そして碧海は、溜息を漏らすと 「とりあえず俺は離れることに関しては反対だから。離れたって溝が深まるだけだ。」 とだけ言い、その場を後にした。

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