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第77話

侑舞は1人部屋の中で溜息を吐いていた。 話し合いをしたのが月曜日で今日が土曜日だから、あれから5日経ったわけなのだが、状況は全く変わっていない。 相変わらずほんとんどすれ違った生活を送っており、もう一度話しをしたい侑舞は何度も兄に声はかけているものの、何かと理由をつけられて結局話せずじまいだった。 今日は9時半からカウンセリングを受けて、お昼ごろから多賀さんと食事に行く予定だ。 実は話し合いをしてから2日後に、多賀さんから食事のお誘いの連絡がきたのだ。 もっと後の話だと思っていたし、兄とのこともあり少し悩んだが、むしろいい気分転換になるのでは?と思い了承した。 とりあえずカウンセリングに行かなければならないので準備をすることに。 カウンセリングの後そのまま食事に行くので、数少ない服の中から良さそうなのをチョイスした。 そして、忘れ物がないかを確認すると家を出た。 病院に着き受付に話をすると、すぐに姫宮先生につないでくれた。先生がいない間は、誰が担当か決まっていたわけじゃなかったので受付に言っても話が通らず大変だった。 受付の人が教えてくれた部屋へと行くと先生が椅子に座って待っていた。 「おはよ~。退院してから体調はどう?」 「おはようございます。体調は良いですよ。熱も全く出てないですし元気です。」 「それはよかった。」 姫宮先生は体調を確認すると、扉の前で突っ立ったまま俺に椅子に座るように声をかけてきた。それに従い、椅子に腰かけた。 「さてと、始めますか!」 「はい。お願いします。」 「それじゃあ、さっそくだけど話し合いはどうだった??うまくいった?」 思っていた通り、話し合いの件を聞かれ侑舞は思わず苦笑を溢した。 隠すことは不可能だし何の得にもならないので、正直にすべて話すことにした。 「えーっと実は…………」 侑舞はあの日のことを語りだした。

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