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第10話

王様との謁見も終わり、オレグ様の屋敷に帰ってきた。 「疲れたぁ」 「何もしてないだろう」 「緊張したの。」 その言い方はないと思う。むっとしながらオレグ様を見ると、苦笑しながら「悪かった」と言って俺の頭を撫でる。 「ところで結婚は本気でしないのか?」 「何で昨日出会った人と結婚するのさ。」 「俺がお前を離す気はないからな。今しても十年後にしても同じことだ。」 「俺の気持ちはどうなるの?」 「後からついてくる」 無茶なことを言う獣だ。 ふんっと顔を背けて、まだ体の違和感が抜けきらないからソファーに寝転ぶ。 「結婚の前に子供を招こうか」 「は?どういうこと?」 「男同士だと子供はできない。だから養子を貰う。」 「そんな簡単なことじゃないでしょ!」 人の命をなんだと思ってるんだ。それに、そうなると本当に俺とオレグ様は結婚しなくてはならない雰囲気になるじゃないか。 「伝説の妖精は子供を愛してるんだ。愛しいと言っていつも抱き上げあやしていると聞いたぞ。」 「そんなの知らない。子供は好きだけどね。」 「ならいいじゃないか!よし!子供を迎えよう!」 「ちがーう!そういうことじゃない!」 話が通じると思っていたけどそうじゃないみたいだ。ムスッとすると急に浮遊感に襲われて、オレグ様に抱き上げられたことが分かる。 「どちらにせよ、俺はお前と結婚する。愛してるぞ、アメデ。」 「……伝説に魅せられたくせにぃ」 「違う、本当だ。お前のことが可愛くて仕方がない。」 額をコツンと合わされる。 その時胸がキュンってした。 少しだけなら、この人に絆されてもいいかなと、思ってしまったのだった。 マチガイさがし END

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