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第6話

「…じゃ、食べていいの?」 真面目な雰囲気が苦手で…パッと離れながら瞬助に聞くコウジ。 「もちろん!全部食べたら、お前がもらったのも食っていいからな!」 スプーンを渡しながらそんなことを言う瞬助。 「えっ、そうなの?」 てっきりもらったことが気に食わないのかと思っていたコウジ… 「お前がどうしても食いたいんなら仕方ねぇ…けどお前の手作りチョコ初体験は俺が貰ったからな!」 よほどこだわっているのか、念を押す。 「はは、ハイハイ…前から思ってたけど…瞬って変わってるよね…」 「何?どこが?」 「いや、考えることが…」 頭いいやつの考えは、ちょっと普通の人には考えつかない方向に考えがまとまるのか… いつも驚かされる。 「え、普通だろ?」 「…無自覚なんだよね」 それが瞬助なんだけど… 短くぼやいて…返事が来る前に、手を合わせて食べ始める。 「じゃ、いただきます」 「おう!」 「ん、おいしいよ」 そう感想を伝えるコウジ。 ただの生チョコだけど…悪戦苦闘していた割にはうまくできていた。 「当然!」 「その自信はどこから…」 そんなお調子者の瞬助に呆れながらも… 「ていうか…普通固まってからメッセージ書くんじゃない?」 気になっていたことを指摘するコウジ。 「え…」 「だからとけちゃったんだよ」 「ま、まぁ…そのくらいの失敗はあるだろ!なんせ初めて作ったんだからよ」 頭を掻き、苦笑いしながら答える瞬助。 それを見て、おぼつかない手つきで調理に勤しんでいた瞬助の姿は思い出して… おかしくて笑ってしまう。 「ホント馬鹿…」 「バカとは何だ!」 「ふ、ごめん…、ありがと」 不機嫌なバレンタインを楽しく変えてくれた… それだけでも、僕にとっては幸せな出来事だから… 恋人の作る手作りチョコを食べながら… 優しく思うコウジ。 「どーいたしまして!」 そう満足げに頷く瞬助を見ていると… 瞬助の恋人で良かったと実感する。 でも… 実は…昔、男の子からは手作りチョコもらったことあるっていうのは… 瞬助には、内緒にしとこう。 頑張ってくれた瞬助のために… こっそり心の内で呟くコウジだった。 《おしまい》 【意地とプライド】番外編《2月14日》完結。

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