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友情か、それとも恋情か_06
皆に見られている事に驚いたか、秀次が俺の手を掴み引っ張っていく。
部員の子達に、またなと手を振り、
「なんだ、手をつないで帰るのか」
と軽口をたたく。
「ふざけんなっ。そんなワケねぇだろ」
昇降口まで引っ張られてきたわけだし、俺はこのまま繋いで帰っても構わない。
だけど秀次は嫌だろう。周りの目を気にしろと言われそうだ。
「教室まで来るなよ」
て、思っていたら案の定だ。部員の子達、興味津々とばかりに見てたものな、秀次の事。
「別にいいだろう。俺のだと知らしめておこうかと」
ぽかんとした顔で俺を見る。なんでそんな事をするんだと、いわんばかりだな。
「ばっかじゃねぇの」
「好きな子は独占したいんだ」
俺はそういう男だからな。これで秀次に対して、へたに手出しをしてこないだろう。
それに、秀次にも意識させたいしな。
「少しずつ意識させようかと思って」
「その手にはのらねぇよ」
と言いつつも、気にはなるだろう?
「流されてしまいなよ。とろとろになるまで甘やかすぞ」
「流されねーよ」
好きな子には優しいぞ。それに秀次がいくら大柄でも俺よりは細いし小さいから抱きしめてやれる。
「本当は甘えたい癖に、強がっちゃって」
カモンと両手を動かすが、
「やだよ。その後に、スリーパーホールドをかけるつもりだろ」
と言われる。あ、ふざけていると思っているな。
「いや、ベアハッグかな」
向かい合わせに相手を腕で締め上げて動けなくする技だ。自由を奪ってしまえばキスだって、それ以上の事もできる。
「総一さんの助平」
俺の考えに気が付いたようで、自分の身を守るように抱きしめる。
「あははは、助平って、あたりまえだろ」
当たり前だろう。意識させようと思っているのだから。
「友達のうちはキス以外しないよ」
「信じられねぇ」
即、そう返された。信用されてないな。まぁ、最後まではしないけれど、隙あれば触ろうとは思っている。
「本当に嫌な時は拒否してくれ」
「わかった。そん時はバックドロップを食らわせてやっからな」
やりかねないな……。
それでも手を出さずにはいられないだろう。それだけ俺が本気だということを解ってほしい。
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