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その熱にこの身を溶かす_秀次02

 総一さんの部屋は二階にあり、本棚には受験用の問題集や写真集などがある。  綺麗に整頓されているなと当たりを見ていると、適当に座ってと言われて腰を下ろす。 「綺麗だな、部屋」 「秀次が来るから掃除したんだよ」  そうなんだ。ベッドの下にエロ本とか隠してねぇのかな。こっそりと覗いてみれば、無いよと言われてしまう。  ち、考えている事がばれたか。 「何だよ、どんなのオカズにしてんのかチェックしてやろうと思ってたのに」 「残念だな」  そうニヤリと笑い、 「秀次、ばぁちゃんにプレゼントを用意してくれてありがとうな」  と総一さんも喜んでくれた。  よかった。二人のそういう顔が見たかったんだ。あとで冬弥さんにうまくいったことを伝えねぇと。 「ばぁちゃんのプレゼントを買うの、大変だっただろ」 「実は冬弥さんに手伝ってもらったんだ」 「あぁ、成程……、冬弥ね」  あれ、目が座ってねぇ?  まさか、買い物に行ったくらいで妬いてんのかよ。 「言っとくけど、彰正もいたから」  まったく。ただの友達じゃん、尾沢兄弟とは。  それでも面白くないのか、俺の側にきて、抱きしめられた。 「心が狭いぞ」 「そうなんだよな、俺もそう思う」  なんだよそれ。解っていても妬いちまうとか、嬉しすぎるだろ。 「プレゼントはさ、驚かせたくて内緒にしてた。本当は総一さんと一緒に買いにいくべきだったな」 「いや、秀次が考えてしてくれた事なんだから」  でも、もやもやすると俺の肩に頭をのせる。  あー、もう、なに、この可愛い生きモノは。 「妬かれるのって、意外とわるくねぇな」 「秀次」  拗ねる総一さんの頭を撫でて、 「ほら、はじめようぜ」  と身を離した。 「そうだな。じゃぁ、脱いでくれるか。秀次の身体を描きたい」  え、ヌードモデルをしろというのか。モデルなんだし、そういうのもあるってことか。  だけどさ、簡単には割り切れねぇってよ。だって、初めてなんだぜ、こういうの。  躊躇う俺に、どうしたんだといように総一さんは目を瞬かせて、 「あ、全裸になれとは言わない」  と手渡されたのはビキニタイプの海水パンツだった。 「うわぁ、まじでか」  下着のままじゃ駄目なのかよ。  海パンの両端を摘まみ引っ張る。これ、みじけぇよな、見えちゃわねぇ? 「本当は無い方がいいが、それじゃ、流石に嫌だと思ってな」 「当たり前だ」  海パン一丁だって恥ずかしい。

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