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その熱にこの身を溶かす_総一03

「いいぜ」  良い眺めだな。腰を掴んで持ち上げると、俺のを太腿の間に挟んだ。 「へへ、太腿にぬるぬるで生ぬるい感触」  何がスイッチが入ってしまったのか、ケタケタと笑い、足を動かす。 「こら、俺だけが良くて、一緒に気持ち良くなれない」 「じゃぁ、突いてよ、総一さん」 「あぁ。俺のでイかせてやる」  俺ので刺激された秀次のモノが蜜を垂れ流す。 「はぁ、俺の、総一さんのかたくておっきいのに犯されてる」 「喜んで涎を垂らしてるな」 「そういう総一さんもじゃん」  腰を揺らし、互いのをこすりあわせると、張りつめたものが解き放たれる。  秀次と俺の欲が太腿を塗らし、たらりと下へ流れ落ちる。 「べたべたする」 「ん……」  寝転がる秀次の隣に横になり、その身をひきよせる。 「総一さん、今度するときはさ、後ろでイかせてやれるように、頑張るから」 「秀次……」  あぁ、もう、素でそんな事を言うんだからな。 「総一さん?」  どうしたと顔を覗き込む。 「いや、幸せだなって」 「総一さんと一緒だと、いつでも俺は幸せだ」  秀次よ、俺をどれだけ骨抜きにする気だ。 「あぁ、もう。だめだ」  愛おしすぎる。秀次の頬に自分の頬をくっつけてぐりぐりと動かすと、 「総一さん、うざい」  掌で頬を押されてしまうが、そのかわりに腕を回して頭を抱きしめられて、それが秀次の愛情に包み込まれているかのようで、ウットリしながら目を閉じた。    秀次がばぁちゃんにプレゼントしてくれたのはスカーフだった。  淡い色で、とてもばぁちゃんに似合っている。 「勇さんに見せたら、似合うって言ってくれたの」  と頬を染める。いつまでも新婚夫婦のように仲がいいんだ、ばぁちゃんとじいちゃんは。 「美代子さん、可愛い」  でれっとしている恋人に、苦笑いする。 「まぁ、嬉しいわ」  手を合わせて乙女のように喜ぶ。 「写真撮っていいっすか?」 「良いわね。折角だから三人で、ね?」  ばぁちゃんを挟みスマホで写真を撮る。  笑顔の二人は可愛くていい一枚になった。 「大切に使わせてもらうわね」 「はい」  ほんわかとした空気になる。いいな、この雰囲気は。 「秀ちゃんから貰ったお菓子を皆で食べましょ」  用意するわねと台所にいってしまったばぁちゃんを、秀次がニコニコしながら眺めている。 「秀次」 「美代子さんに似合っていてよかった」 「ありがとう。愛してる」 「な、いきなりなんだよ。……俺もだってぇの」  照れてる。  あらたまっていう言葉に絶大な効果があろうとは。 「二人ともいらっしゃいな」  ばぁちゃんの呼び声に二人そろって返事をし、顔を見合わせて微笑んだ。 <了>

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