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第122話 ロックの日に(将生サイド)
「将生、明日は昼まで寝かせてくれる?」
たしかに寝る前にそう言われた、明日は丁度高校の同窓会の件で三枝先生と約束があるから内緒で出かけてしまおう。香月さんが買い物についてくるなんて言い出したら、きっとトンデモナイことになると思う。
それが、まさかこんな結果になるとは思いもしませんでしたよ。三枝先生にも何故か偶然会った教頭先生にも最後まともに挨拶もさせてもらえず、引き摺られるようにしてホテルにチェックイン。
「香月さん?寝不足だからって……」
ああ、人の話を聞いていない。嬉々として、人の服を脱がせにかかるところさすがです。ぶれませんね、最優先事項。きっと僕の命は後わずかでしょう。こんな昼間っから、拉致されるところを元担任と教頭先生にまで見られてしまったのですから。
「将生、俺を心配させた罰として」
え、罰として?誤解して曲解して、迷走したのは香月さん紛れもなくあなたですよ?
「俺がいいって言うまで、イッちゃ駄目だからね」
にこにこと鬼畜のご指示いつもですね。本当にいつもです。あっという間に丸裸、なのに香月さんはシャツ一枚脱ぐ気がないのですね。
身体中にキスの雨が降ってきます。
「ふ…あっ」
強く胸を吸われ、声が出ました。最近は自分の声にも自分で発情できるモードになりました。これって、正解なのでしょうか。
「最近、楽に入るようになったよね。でもやっぱり滑りが悪いと入らないかな」
真剣に考えていますが、無理ですから。準備ナシで突っ込もうとしていませんか?
「そんな心配そうな顔しないで、ちゃんと準備は万端だよ」
黒いコートのポケットから……なぜそんな大きなボトルが出てくるのですか?常備するのが男としてのマナーでしょうか?違いますよね。
「さっきの男のこと、なんて呼んでたの?」
「男って、先生ですよ。もちろん」
「じゃあさ、俺のこと今日は先生って呼んで」
また変な遊びを覚えたようです。無理ですよね、香月さんが教えられるのは保健の授業くらいでしょう。ああ、それも無理でした。香月さんに習ったら違う道にみんな走ります。
「将生!先生って呼べよ、これは罰なんだから」
「え、でも……わかりました……香月せんせ」
「うーん、いいっ!最高!注射してくださいってお願いしてみて」
あ、あれ?この前のお医者さんごっこの続きまで?もうこうなったら歯止めはききませんね。
「先生、僕にお注射してください」
「満足、じゃあ一番大きいのをあげるよ」
僕の恋人はやきもちやきで、そして可愛い大きな子どもの様ですね。
「ふ、あっ……あぁ、好き」
やはり、僕の心も躰も独占されて喜んでいるようです。
【完】
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やはりギャグにしかなりませんでした。課題「ヤキモチ」クリアしているでしょうか。
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