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第143話
泣いている僕をまた慰めてくれる。
優しく慰めてくれているのに、股間は更に大きくなっている。
僕がいいって言ってるんだから、我慢しなくていいのに!
「酔っぱらいとはエッチしません!」
「酔ってないもん!エッチする!」
「コラコラ!服脱ぐな!」
手を出さない朔夜さんにムッとして、意地でもエッチするぞと服を脱ごうとするが止められる。
朔夜さんだって、僕の裸見たいくせに。肌に触れて、撫でて、突起を弄って、いやらしい事たくさん僕にしたいでしょ?
「ねぇ、シたい。ぼくのお願い聞いてくれる.......?」
「っ、律.......それはダメだって.......」
服を捲り、朔夜さんの手を掴んで僕の腹に触れさせる。優しかった瞳が、雄の色に変わりゾクゾクした。
優しい朔夜さんも好きだけど、エッチの時の雄っぽい朔夜さんも大好き。
ソファに押し倒され、キスをされる。触れるだけのキスじゃなくて、深いキス。
舌を伸ばし朔夜さんの舌と絡め合い、飲みきれない唾液が顎から零れる。フワフワして気持ちいい.......。
「あ、ゴム取ってこなきゃ」
「要らない。生でしよう?」
「それはダメ」
取ってくるね、と朔夜さんは寝室に行ってしまった。なんで生はダメなんだろう。妊娠しないのに.......。中に精液が残ると腹痛の原因になるらしいが、終わった後全部掻き出せば大丈夫だと久我さんが言っていた。
生でしたいのに.......。
目を瞑るとすぐに夢の世界へと迷い込んだ。
流石に酔ってる律には手は出せないよなぁ、なんて考えながら何も持たずに戻ると、スヤスヤと気持ち良さそうに寝息を立てて眠る酔っぱらいの姿があった。
手出さなくて良かった、と言う気持ちと、少し残念だ、と思う最低な気持ちが入り交じる。
これでいいんだ。乱れた服を整え、ブランケットを掛けて寝かせた。
翌日、頭が痛くてずっとベッドの中で過ごした。風邪の頭痛じゃなくて、ガンガンして少し吐き気もある。なんだこれ、何かの病気?
「それは二日酔いだね。律は相当お酒に弱いからあまり飲まない方がいいし、お酒の入った食べ物もあまり食べない方がいいね」
「二日酔い!?昨日のチョコで!?」
信じられない。ちょっとお酒の入ったチョコを食べすぎただけで二日酔いになるなんて.......。
とにかく頭が痛いし気持ち悪いから、もう絶対に二日酔いにはならないと決めたのだった。
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