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2ーカルロスへー

「...お呼びして申し訳ございません。」 「...いえ、それより何か御用でしたか?」 「お願いがあるのです。...これを」 「これは?」 「...でっち上げた王の罪と、こちらは本物の罪です。フェルデルの貿易中の民を殺した。証拠です。」 「...なぜあなたはそこまでして、王を失脚させようとするのですか?」 「...最初はほんの少しだけアリーナ様に表舞台に立つことを覚えていただこうとしました。でもすぐに気が変わったのです。気弱だからこそその分、強さに変えられると。...だから、この策を練りました。....でもこの計画にはひとつ足りないものがあった。」 「...足りないもの?」 「協力者です。...最初は国内の貴族でも構わないと思っていましたが、国内の貴族は今までアリーナ様を見下してきましたから信用なりませんでした。そんな時、王から婿養子の話が出てきました。それがカルロス皇太子殿下でした。」 「...グットタイミングだったんですね。」 「ええ。でも最も必要だったのは、協力者であり、アリーナ様を愛すことのできる人です。貴方様はそれをクリアされた。ですから、こうして頼みます。アリーナ様を女王にするため、戦ってくださいませんか?」 「答えは決まっています。アリーナ王女を愛し、今生を添い遂げると誓っております。」 「そうですか..….これで安心しておまかせ出来ます」 「...ユイ様は本当に、あの王と結婚なさるのですか?」 「....さあ。...わたくしはわたくしであるための最善を尽くすまでです。それではよろしくお願いしますね」 「...わかりました。」

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