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第1話

ガヤガヤと人が賑やかな場所 ギラギラとしたネオンギラつく街 ついに来てしまった…… 「ここが発展場……!」 大丈夫……ローションもゴムもタオルも持ってる…… あそこは中まで丁重に洗ってきた 年齢を聞かれたら兄ちゃんからパクってきた保険証を見せればいい! 「2500円になります」 「はい」 「では、こちらがロッカーの鍵です」 「ありがとうございます」 な、難なく入れてしまった……っ! と、とりあえず着替えよう…… 薄暗いロッカーが立ち並ぶ場所で自分の番号を探す 「あった……」 カチャカチャと服を脱ぎ畳んでロッカーの中へ入れていく やばい……めっちゃ緊張する…… ここで、やっと処女を捨てられるんだ! そう張り切っているとパサッと自分の服から何かが落ち拾い上げる 「……っ!!!!せ!!!」 生徒証ーーーーー!!!!!!! バカバカバカバカ!!!なんでポケットの中になんか入れてるんだよ自分のバカ!!! 慌ててバックの中に入れるその生徒証には○×中学校と言う文字が輝いている 中学生ってことがバレないようにしないと〜…… ドキドキと悪い胸の高鳴りを抑えるように深呼吸をする どんな人が相手してくれるかな…… かっこいいジャニ系お兄さん……? はたまたちょっと太めで汗っかきなおじさん……? どれも良い……! あわよくば3P……!なんて! スルッ 「うひょぁ!!」 「色気ね〜声」 「な、なに!?」 「お前、まだ学生だろ……こんな所に興味本位で来たら痛い目見るぞ……」 ガタガタとロッカーと顔が見えない高身長の人に挟まれ身動きが取れない状態にされる や、やばい…… 背中から伝わる肌の温かさや筋肉の硬さに興奮してしまう この人……ガタイがいい…… しかも高身長…… 恐る恐る顔を見る 「聞いてんのか」 ドタイプーーーーー!!!!!!! 日に焼けた少し黒い肌、たくましい鍛えられた体、少し長い髪を後ろで縛った髪、低い声、190前後の身長…… しかも死ぬほどイケメン これまでに見てきた中で一番タイプの人間だ 「あ、え、と……」 「……へぇ、○×中学校……」 「あ!!返して!」 「餓鬼が来る場所じゃねぇぞ……」 「……ぁっ!」 丸見えのお尻に指が這わせられ穴の中に指を1本入れられる 1本なのに……ふと…… 「っ……お前処女か?ギチギチじゃねぇか……」 「っ……ふと、い……」 もしかしたら、抱いてくれる? 「こんなんじゃ裂けるぞ お前にゃまだ早い、帰りな」 俺の服を握らされ帰るように促される 次第に体が離れていき肌が密着していた所に冷たい空気が入り込む このままじゃ、この人にだいてもらえない! 「っ!お、俺の事!抱いてくれたら、帰ります!」 「っんで餓鬼なんか抱かなくちゃ行けねぇんだ」 「抱いてくれないなら、俺はここで他の人に抱かれます」 「……金」 「え?」 「金だ、俺がここに入ってきた時にこの店に出した2500円、プラス、お前を抱いてやる為の労働賃金2500円、計5000円出せたら抱いてやる 早くしろ」 急いでゴソゴソと財布を漁り5000円札をその人の手の上に出すと上からため息が聞こえてくる 「5000円です」 「交渉成立 これは一夜限りの関係だ 間違ってでも勘違いすんじゃねぇぞ中坊 早く着替えろ」 その人は俺の真後ろのロッカーを開き服を着ていく 俺も着替えなくちゃと思い急いで着ていくが早々にその人はロッカーの鍵を閉め先に行ってしまう うぅ、冷たい…… ちょっとは待ってくれたっていいじゃん…… ワンチャン金持って逃げてる説あり…… くそ…… 半べそかきながら着替えロッカーを閉めて鍵を返しに行く 外に出るとドアの所でタバコを吸っているその人がいた 「おっせぇな はやくしろ」 「はい……」 「何半ベソかいてんだよめんどくせぇ」 スタスタと歩く人の後ろを小走りでついて行く めっちゃ歩くの速い…… ワンボックスの車に乗り込むその人を追いかけて俺も助手席に乗り込む ホテルにでも行くのかな…… 「あの、名前って」 「あ? あー……カズキ」 「絶対今考えましたよね」 「一々うるせぇな、てめぇに本名教えるわけねぇだろ お前の名前はなんなんだよ てか早くシートベルトしろ糞ガキ車出せねぇだろうが」 「藍華です」 カチッとシートベルトの音がすると同時に車が出る 「あいかねぇ……女みてぇな名前だな」 「本名です 藍染めの藍に中華の華で藍華」 「へー なんで発展場になんか居たんだよ」 「処女卒業したくて」 「馬鹿だな 発展場はガバマンがほとんどだ 優しくしてくれる奴なんかほとんど居ねぇ しかも処女卒業したいなら好きな奴とやれよ」 カズキさん意外と会話してくれるんだな…… 絶対会話ないと思ってた…… 「好きな人、は 作れないです 今は」 「なんだそれ」 「担任の先生に、俺がゲイってことを相談したら いつの間にか学校に知れ渡っていて それからちょっと色々……」 「いじめってか」 「まぁ、多分そんなところです」 「笑えるな 心が狭いヤツらばっかじゃねぇか」 自分の手を見つめて爪を弄る だんだんと視界が潤んでいく感覚がする やばい 泣きそう 今まで投げかけられた言葉を思い出してホロホロと手に雫が落ちる 『ホモは学校に来んな』 『おーい皆汚いおホモ様のお通りだ避けろwwww』 『藍華!あんたいい加減にしてちょうだい!あんたのせいで近所からなんて言われたか知ってるの!?』 『家出てけよゴミ』 家族からもほぼ見棄てられた 学校にも味方はいない 処女を捨てたら本当は死のうと思ってたんだ ズビズビと鼻をすすっていると頭の上の暖かい大きな手がポンポンと乗せられる 「今は泣いとけ しょうがねぇからゲイの好として許してやるよ」 「ふぁい……」

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