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【後日談】君と世界の最果てで
ここは……人間達の住まう世界から最も近くて遠い場所。
神の居住地。
全てはここから始まりここで終わる。
「くくくっ………今日も人間たちは世話しなく生きているな……せいぜい、その短い生を謳歌するが良い……」
この世界の神………俺。
この世界の全てが俺の創り出したもの。
水鏡から下界の様子を何となく見ていると、愛しい奏汰が眉をつり上げ仁王立ちで立っていた。
ちょっと尖らせた口元が堪らなく可愛い。
「山田、神の仕事って言うのはそうやってテレビでも見るようにボ~としていることなのか?」
人差し指でムギュッと鼻を押された。
「いや……その、世界は平和で……変わりばえなく……それよりさ……ラビって呼んでよ」
兄貴から適当につけられた名前じゃなくて本名で呼んで欲しいな。
しかめられていた奏汰の眉がへにょんと、垂れた。
「上から見てるだけじゃ駄目なんだろ?それで前の世界は無くなっちゃったんだろう?……この世界が消えたら、俺も消えちゃうんじゃないのか?……俺……お前と別れるの………やだ…」
最後は恥ずかしそうに口ごもっていたが、バッチリ神の耳は拾った。
「俺だって奏汰と別れるなんて嫌だ!ありえない!!」
「じゃあ……山田と俺の世界……守ってくれる……?」
お願い、と首を傾けられて……
「待ってろ!すぐに見回りして帰ってくる!!」
急いで立ち上がった俺の袖を奏汰が引っ張った。
「何?」
何か忘れ物……?
「……いってらっしゃい……ラビ」
振り返った俺の首に奏汰がしがみつき……いってらっしゃいのキスをしてくれた。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「……あのバカ、張り切って出ていったな」
「あ、山田のお兄さん。お久しぶりです」
「悪いね。あいつはすぐ怠けるから……君には苦労をかけるな」
「いえ、単じゅ……素直なので、言えばちゃんと動いてくれますから」
「ははっ……君の手の上って事かい?神を手玉に取るなんてさすが嫁チートだね」
山田がいつも下界を覗いている水鏡を覗くと、高笑いするお兄さんの気配に気付かず、山田は張り切って見回りを続けていた。
俺がお世話になった人達の世界なんだ。
しっかり守ってくれよ、ダーリン。
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