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プロローグ
光に包まれ、金に輝く太陽と無数の花に愛される地の始祖ヒューマン。
夜を支配し、銀に輝く月と無数の星に愛される闇の帝王ヴァンパイア。
神は世を両者に等しく分け与えた――はずだった。
しかし、神の戯れか、悪戯か――
ヒューマンの中に「オメガ」というモノが出現するようになった。
「オメガ」には「あらゆるモノの命を育む力」があった。
どんなモノの子でもその身に宿すことができる。
男であれ、女であれ「オメガ」であれば、あらゆる命を産むことができるのだ。
「貴人」「鬼人」「奇神」
オメガから産まれたモノは様々な呼ばれ方をする。
そして、見る者によってその姿は違って見えるという。
もし――
ヴァンパイアが「昼でも活動できる忠実な僕」を望んでいるとしたら?
「オメガ」を使えばソレが叶う、と信じていたら?
この世界の不確かな均衡は、確かな混乱に変貌する――。
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