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6話/むく

補習を受けたのは僕を入れて三人だったけど、他の二人は始まって30分くらいでプリントを書き上げて、早々に帰っちゃった。でも、帰りぎわにコッソリ飴玉とチ〇ルをくれた。 先生も二人が帰ると、仕事があるから書き上げたら持って来なさいって言って、職員室に戻っちゃった。 残された僕は一人で数式と睨めっこ。貰った飴玉を口に入れてコロコロとまわす。 頭を使った時はぶどーとーを補給するといいんだって、真央くんが教えてくれたんだ。 真央くん…、今頃ガトーショコラ作ってるのかなあ。 部活仲間でもある友達の小西真央(こにしまお)くんと、調理部のことを考えていたらポケットの中の携帯が震えた。 あ…、また電源切るの忘れてた。マナーモードにはしていたけど先生がいなくて良かったあ…。先生がいないのを良いことにコッソリ携帯を覗けば、真央くんからの着信メール。 『補習お疲れさま!部活終わったらケーキ持って教室に行くから一緒に帰ろ(^O^)/』 や…、やったーっ!ようっし!頑張って終わらせて調理部に顔だけでも出そうっと。 …って、気合いを入れたけどやっぱり、書き上げられたのは真央くんが部活を終えて迎えに来てくれたときでした…。くすん。

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