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10話/むく
突然現れた宍倉くんに、驚きつつも見惚れてしまった。
やっぱりさっきのわんちゃんに似てるなあ〜。高貴な感じって言うかホントに宍倉くんって王子様みたいだよね。
「偶然だね、河合の家ってこの近くなの?」
またぽわんと見惚れていたら、宍倉くんから尋ねられた。
「うん、この先を少し行ったところだよ」
右の方角を指差しながら答える。
「宍倉くんのお家もこの近所だったの?」
「いや、昨日は鷹取の所に泊めてもらったんだ」
そっかあ〜、そうだよね。近所だったならこれまでに会ってるよね。
「鷹取くん…あっ、宍倉くんとよく一緒にいるカッコいい人だよね」
確か、宍倉くんとおんなじバスケット部だったっけ。宍倉くんが外国の王子様なら鷹取くんは戦国時代の武将みたいで、いかにも男!って感じで実は密かに憧れてたりするんだ。
「……鷹取のこと知ってるんだ」
「うんっ!真央くんと同じクラスだし」
憧れ云々は恥ずかしいから黙っておこうっと。
「真央くん…、ああ河合とよく一緒にいるの見掛けるね。そっか、鷹取と同じクラスだったんだね」
「真央くんとは同じ調理部で、部活に行くときに教室まで迎えに行ったりするから」
その時、鷹取くんを見掛けるとあんな風になりたいなあ〜って、羨望の眼差しで見つめちゃうのも恥ずかしいからナイショね。
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