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94話/むく

4人でのお昼ご飯を済ませてお腹はいっぱい。ちょっとお昼寝もしたから体力も回復、HPゲージは満タンだよ!さあ、午後の競技も頑張っちゃうぞー! 今のところ対戦成績は僕達A組チームがトップだけど、他のチームとの差は僅かでちょっとでも気を抜けばすぐに逆転されちゃう。 午後のプログラムも順調に進んでいって、僕が出場する競技はあとひとつ、借り物競走だけ。 これはあんまり得点配分には影響がないから、ちょっとだけ気楽かな? 午後の部のハイライトは、やっぱりなんと言っても最終プログラムのチーム対抗リレーだよね!得点配分の高いこの競技が、毎年チームの勝敗を決めている事が多いし。 残念ながら陸上部のミツくんは出られないけど、宍倉くんは勿論、トーイくんとコウ先輩、カズ先輩も出場する大注目の競技だ。力いっぱい応援しちゃうぞぉっ! …って、意気込んでいた僕だったけど、事態は思いも寄らない方向に向かっていた事を、その時は知る由もなかったーー。 借り物競走の出場選手への集合アナウンスが入ったので、集合場所に集まったけど集合時間がずいぶん早くない? それになんでグラウンドじゃなくて教室に集められたの? クエスチョンマークを頭に飛ばしていたら他の出場選手が集まってきた。その中に調理部のみんなの姿を見つけてちょっと驚く。 「部長!真央くん!シマくんと三葉くんも!みんなも借り物競走に出るの!?」 みんなが借り物競走に出るなんて聞いてなかったから、驚いてみんなの傍に駆け寄る。 「ああ。出場するはずの選手が怪我したから急遽代役でね」 そう部長が教えてくれる。他のみんなも同じような理由らしい。 「いきなりで驚いたけど、まあ得点配分にはあんまり関係ない種目だし気楽に走って終わらせちゃおう」 「真央先輩!どんなことでも勝負は手を抜いちゃ駄目だぜっ」 のんびりと言う真央くんとは対照的にシマくんはやる気満々。その後ろで三葉くんはぴるぴる震えてる。誰だ三葉くんを代役に推したの…。 みんなとお喋りしていたら教室の扉が開いて実行委員の人が入ってきた。 「全員集まったようなので今から説明を始めます。出場選手はこちらに用意している衣装に着替えて下さい」 は?衣装? 「着替えが済んだらこのままここで待機して下さい。出場時間になったら迎えにきます」 実行委員の人は教室の後ろに積まれていた箱を指差しながら淡々と説明していく。 いやいやいや!ちょっと待って!さっぱり意味が分からないよっ!

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