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あとがきとおまけ
ファンタジーの知識など欠片もないのに、思い付きで書き始めてしまったなんちゃってファンタジーにお付き合い頂き有難うございました。
隊長さん×小動物と言うより、小動物×小動物になってしまった気がします。隊長さん全然活躍してませんね…(o_ _)oスミマセン…
神獣の設定捕捉
神獣の外見は幼少期は小犬っぽく、成獣になるとエレガントな毛足の長い狼って感じになります。
神獣には性別はなく、男性体の方が機動力がある為少年に変化しますが、必要が生じれば女性体にも変化します。
里親は聖母樹の樹と契約を結び、神獣との意思の疎通が可能になります。
聖母神殿に仕える神官達も(階級によりますが)契約を交わしています。
つまり契約をしていない隊長さんは神獣の言葉は分からないはずですが、意思の疎通が出来ているようにみえますね。そこはひとえに愛の力と言う事で(笑)
本来、小説内で書くべきことですが技量不足でこんな所での説明で申し訳ありません。
最後は美少年の姿で終わらせるつもりでしたが、結局ちびっこ平凡で終わってしまいました。
いざと言う時に変身して、あの美少年は誰だ?的な展開も美味しいかな〜、とか(笑)
☆隊長さんがただひたすら変態なだけのおまけ話を付け加えました。お暇がありましたらどうぞ☆
オマケ
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もふもふもふもふ。
この世で一番愛しい者。
ビロードよりも滑らかな手触り柔らかな温もり愛らしい鳴き声。
この世の何にも代えがたい大切な私の神獣。
初めて会ったあの日。聖母樹の下で小さな体を丸めて蹲るように眠っていたその姿が寂しげで、気付けばその背に触れていた。
私の名は、クラウド・オーグ・デ・カイゼル。
この国の王を守る騎士団の総隊長を務める武人だが、私は子供の頃から小さい物や愛らしい物が好きだった。
だが武人として強くあれと育てられた私はその事を口には出来ず、愛らしい物を見るたびに弾む心を押し隠して過ごす日々。
武人として過ごす毎日は性に合っていたが、周りは常にむさ苦しい武人ばかり。
唯一の心のオアシスは神殿に出向いた時に見掛ける神獣たちの姿、愛らしい神獣の幼子たちの姿は私の心を癒してくれた。
いつか私も神獣の守護を得てパートナーを選ぶ日が来るが、出来る事なら能力よりも私を安らがせてくれる神獣を友にしたいと願っている――。
聖母樹の下で蹲る小さなその体をそっと抱き上げて膝に乗せた。
くうくうと寝息を立てる斑色をした神獣の柔らかな温もりが伝わってくる。
背に手を這わせると、その手触りの良さに衝撃を受ける。
今までに味わった事のない極上の触りごこちに、私は夢中で撫で回してしまった。
そうするうちに小さな頭がピクリと動き、きゅう〜と微かな鳴き声が聞こえて、膝の上の小さな温もりが目を覚ます。
ゆっくりと開かれた不思議な色彩を放つ深みのある瞳は、何処か寂しげな色をしていた。
小さな神獣は自分の置かれている状況に驚いて、短い手足をバタつかせる。その様子が愛らしくて笑みを誘う。
無断で抱き上げていた事を詫びながら背を撫でると、その小さな神獣は私に擦り寄って来てくれた。
私の胸元に懸命に鼻先を擦り寄せて甘える、その幼気な仕草が可愛いくて愛しくて。
その時から私はこの神獣をパートナーに選ぶ事を、心に決めたのだ――。
*****
「また来たの…クラウド」
「ああエナはもう起きているか?」
まだ少し寝惚けた様子のシーグに挨拶もそこそこに尋ねる。因みに今は朝の一番鐘が鳴ったところでようやく陽が昇り始めた時刻だ。
シーグの目付きが冷ややかなのは致し仕方あるまい。
あの時逢った神獣とは、神樹のそばで逢瀬を重ねるうちにすっかり私に懐いてくれていたのだが、暫くすると里親のもとへ行ってしまい逢う事が叶わなくなった。
あの子と逢えなくなってから、私の心をぽっかりと穴が開いたような喪失感が襲った。
あの柔らかな温もりが恋しくて恋しくて枕を涙で濡らす日々が続いていたが、なんとあの子の里親となっていたのは私の幼友達のシーグだったのだ。
私はこの僥倖を神に感謝せずにはいられなかった。
それからと言うもの、暇を見つけては私の神獣に逢いに行った。
神獣の名前はエナ。愛らしいあの子に良く似合う可愛いらしい名だ。
私がその名前を呼ぶとまろぶように駈けてくる。私の胸元に飛び付き愛らしい鼻先を擦り寄せ、ペロペロと小さな舌で私の顔を舐めてくれる。
ああ…、なんと言う幸せ。
「クラウ…休みの度にうちに来るけど他にやる事ないわけ?」
エナの愛らしさを思いおこしていると、シーグが冷ややかな声で尋ねてきた。
「私の休みはエナと過ごす為にあるんだ。早く扉を開けてくれ」
玄関扉の覗き窓越しに会話を続けるシーグに焦れて、催促する私の耳に小さな鳴き声が聞こえてきた。
「きゅう〜(シーグさんお客しゃま?)」
ああっ、あの可愛いらしい鳴き声はエナのものだっ。寝起きのせいか少し舌っ足らずな声を聞けたのはラッキーだぞっ!早朝に来た甲斐があったなあ。
「ああエナ起こしてごめんね」
「エナっエナっ!おはようエナっ」
「きゅっ!(隊長さんっ!?シーグさん隊長さんが来てるの?)」
「違うよエナ、外にいるのは変なおじさんだよ〜。警備兵に連絡して追い払ってもらうから、エナはもう少し寝ておいで?」
「しっ、シーグっ!何て事を言うんだっ!?エナっエナっ私だよクラウドだよ、開けておくれ」
まるで子山羊を狙う狼のように、扉の前で早朝からの押し問答。このままでは本当に警備兵がやって来てしまう。
「きゅう〜(違うよシーグさんっ、隊長さんの匂いがするよ?)」
ああっ!エナ〜っ。
扉に縋り歓喜の涙を流す私を、生ゴミを見るような目でシーグが見下したあと、舌打ちの音と共に渋々と扉が開かれた。
「きゅう〜っ!(隊長さあ〜んっ!おはようーっ!逢いたかったあ)」
「ああっ私もだよエナ〜っ!」
飛び付いて来たエナを思い切り抱き締めて、もふもふの手触りを思う存分味わう。
ああ至福…。
「…せめて家の中でやってくれる?」
シーグの冷ややかな声も、今この時の幸福を揺るがす事はなかった。
「きゅっ!きゅう〜っ!(隊長さん隊長さあ〜んっ!大好きい〜っ!)」
「私も愛しているぞおっ!」
「だから家の中でやれーっ!」
オワリ(笑)
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