3 / 3
第3話
倒れ込むようにゴロンと横になる。
パソコンデスクが目に入った。
会社のデスクとは違って綺麗にしている机の中央には、閉じられた15.6型のノートパソコンがある。
結構古いモデルのノートパソコンだし、持ち歩くには大きい。
だから家用として使っている。
そういえばメール…
何日もメールを確認していない。
僕は、彼からの返信がないと心配になってしまうけれど、彼はどうなのだろう。
心配してくれていたりするんだろうか…
せめてパソコンを起動させて、来ているかは分からないけれど、確認くらいは…
やりとりしているのは、学生時代から使っている古いメールアドレス。
家用のパソコンでしか確認出来ないし、彼からのメールしか来ない、彼専用のアドレスだ。
僕らはリアルを優先する事にしている。
出会った当時は学生だったけれど、今は社会人だ。
彼も出張が多い職業らしいし、僕も一ヶ月に半分は会社に泊まっているような状態…
お互いに忙しい職業だから、返信は本当に暇な時にしかしない事にしている。
一、二ヶ月あく事もあるし、逆に一週間とかで返ってくる事もある。
流石に三ヶ月あくと心配になって、迷惑かな…と思いつつも生存確認のメールをした事もあった。
ごめんごめん。
すっかり忘れてたわー(´д`|||
とか返ってきて、凄くホッとした。
そして、なんだか彼らしくて笑ってしまった。
もしも僕が三ヶ月程返信をしなかったら、彼は同じように…
けれど、それは求めてはいけない事だ。
僕と同じ気持ちでいてほしいとか…
生存確認してほしいとか…
僕が返信を止めてしまっているのだから、多分メールは来ていないだろうけれど、少しだけ期待してしまう。
あぁ…確認したいのに…
そう思っているのに、身体はもう動かなかった。
ゆっくりと、僕の瞼は落ちていった。
ともだちにシェアしよう!