なんでもない、夏のひと時を描いた甘酸っぱい作品でした。 　冒頭でしっかり登場人物の紹介があり、関係性もわかりやすく自然と読み進められました。少しクセのある絵柄ですが、画力があるためコアなファンがついていそうな作者だと思います。 　また、構図が非常に上手いので短いページ数でも読み応えがありましたが、１ページの中に情報を詰め込みすぎているので、もっと大胆に大ゴマを使ってみてはいかがでしょうか。 　惜しい点としては、キャラクターの正面の顔が前半になく、どんな顔なのか分からないまま話が進んでいってしまい、なかなか感情移入しづらかったです。しかし、表情、パース、背景も問題なく描けておりますので、キャラクターを読者に認識してもらうことや、ネームの際に全体を見渡して詰め込みすぎていないかなどを次回は意識してみてください。とても期待のできる作者ですので今後も楽しみにしております！

　やんちゃ攻め×優等生受けの青春ストーリー。 　「ひょんなことから」と「漁船」でエッチをしてしまう仲であることに説明が足りておらず、読者が戸惑ってしまう始まりでした。「漁船」である意味と、お互いの年齢設定などが伝わってこないので、冒頭で何かしら読者にヒントを与えてあげてください。 　また、夜の設定のためか背景にグラデトーンが多用されており、変わり映えしないコマが全体に見受けられました。建物・自然などを背景に入れ込み、感情的なシーンのみトーンにするなどでメリハリを出すと、より魅力的な作品になるのではないでしょうか。ただ、背景やコマ割りは工夫されており、表情も豊かですので、キャラクター以外にも「描く楽しさ」を身に着けていただけたらと思います。 　キャラクターの見た目・性格に個性があり、カップリング的にも分かりやすい設定でしたので、次回は起承転結と読者を意識するようにしてみてください。