第1回 fujossy読切小説コンテスト
第1回 fujossy 読切小説コンテスト受賞作品発表
運営スタッフも驚くほど多数の作品が集まった今回の『第1回 fujossy読切小説コンテスト』は、クリスマスというテーマにふさわしく、どれも繊細で美しい物語ばかり!
その中から最も多くの読者投票を集めたのは、秋吉キユさんによる『羨望症ヒットパレード』です。
聖なる夜、失敗続きの少年は、年上の小児科医と出会います。まだ何者にもなれない自分に傷つき、もどかしさを抱えた少年は、年上の彼に翻弄されて…。
そして「fujossy」特別賞に輝いたのは、かけがえのない二人の絆をテーマにした果林さんの『一番大切なプレゼント』。
出会いから結ばれるまで、長い時間をかけてゆっくりつもり重なっていく二人の想いが、短編のなかで素敵に描かれています。
この2作品は、声優によってボイスドラマ化が決定!
「身体つかって俺のこと温めてよ?」夜に出会う、小児科医と✕✕✕見習い
5000字以内推奨だった今回のコンテストですが、短いボリュームの中で、様々なドラマを描いた作品が多数投稿していただきました。その中でも、読者の皆様から最も多くの投票を集めて1位となったのが、本作『羨望症ヒットパレード』です。 偶然の出会いから始まるクリスマスの夜のドラマを、リズムよく、かつドラマチックに描き切った本作は、読切短編ならではのキレの良さと、爽やかな余韻の残る名作です。短いボリュームでありながら、導入から結末まで、起承転結を考え抜かれた構成の巧みさや、それを心地よいテンポで最後まで読ませきる筆力など、作者の実力の高さが存分に発揮されています。さらにセリフのひとことひとことが印象的で、読んでいるだけで、まるでアニメやコミックのように、そのシーンが目に浮かんでくるようです。 ナイーブで繊細な少年の心と、大人の余裕が重なる瞬間のときめきを、ぜひ皆様もお楽しみください!
僕は誕生日が嫌いだった...嫌いだった誕生日が、今日一番大好きな日に変わる
「fujossy」が選んだfujossy特別賞は、『羨望症ヒットパレード』につづく2位の投票を集めた、果林さんの『一番大切なプレゼント』です。 『羨望症ヒットパレード』が、聖なる夜の出会いを鮮やかに切り取った作品なのに対し、こちらは、長い時間をかけてゆっくりはぐくまれた想いが結ばれるまでの物語です。プレゼントをきっかけに始まった二人の物語が、ふたたびプレゼントという絆につながっていくクライマックスは、短編なのにまるで一本の長編映画のような高まりを見せるほど。 ところでクライマックスのクライマックスに描かれるとあるシーンは、ベタといえばあまりにベタなのですが、だがしかし!…その流れでそうこられたら、やっぱりときめいてしまうよね!?というくらい、素敵でした。