「オフィスラブ」BL小説コンテスト

応募受付期間 : 2019/08/01 17:00 ~ 2019/09/08 23:59

「オフィスラブBL小説コンテスト」へのたくさんのご応募、誠にありがとうございました!

「オフィスラブ」というテーマはいわゆる、高層ビルの、スーツを着た会社員同士の恋愛…とイメージしますが、今回は「同じ職場であればOK」という間口の広いテーマで実施いたしました。
応募作品の中には枠にとらわれず、特殊で不思議なオフィスラブもあり、かなり読み応えのある作品が勢ぞろいしています!

今回、残念ながら最優秀賞作品はございませんが……
なんと!優秀賞に10作品を選出させていただきました!!

ご受賞された皆様、おめでとうございます!!
本当に甲乙つけがたく秀作が多かったため、通常よりも多く受賞作を選ばせていただきました。

惜しくも受賞からもれてしまった作品につきましては、公式Twitter (https://twitter.com/fujossyjp )にて書評付きでいくつかご紹介させていただきますので、そちらもぜひチェックしてみてください☆

優秀賞

明かさないこと七賀ごふん

ただがむしゃらに、子どものように無邪気に。

運営コメント

 冒頭から語り口調で始まり、そのまま話が始まったところに作者のセンスを感じました。伏線がところどころに散りばめられていて、読めば読むほど謎を呼ぶ…「BL小説」の枠組みを超えた、ハイクオリティな作品です。  比喩を使っているシーンでは、矢千の想像の世界と現実が交錯し、とても不思議な印象を残しています。  一旦話を終わらせ、今度は逆の髙科サイドの視点で物語が始まる…そこから次第に彼らの過去が明かされていく手法は素晴らしかったです。そして髙科が矢千の記憶を無理やり思い出させようとはせず、再び想いがつながることを祈り、自分との絆を証明しようとしている姿に心を打たれました。  最後までこの物語を読んだ者だけに伝わる、非常に感動する秀作です。決して甘くないストーリーのため、読み手を選ぶ作品ですが、未読の方はぜひ読んでいただきたいです。そして読了後、また冒頭から読み直すと新しい発見と感情が生まれるはず…。

優秀賞

君はもう黙ってここで愛でられていろゆまは なお

隠れゲイだった亮祐は海外赴任を機にタチデビュー。人生初のモテ期に浮かれる亮祐に迫る男が現れて…

運営コメント

 モテモテのバリタチが赴任先の海外でハイスペック御曹司に受けにされてしまうという、なんとも萌えが詰まったオフィスラブでした!  本人は気づいていないところでずぶずぶと懐柔されていく主人公がとてもかわいくて、攻めの気持ちが非常に分かります。笑  「懐いてきたな。絡んでくる」というフレーズが最高にツボでした!  ただのストレートなお話にせず、仕事の話、プライベートでのトラブルなどを含め、様々な登場人物との関係性も綺麗にこの3万字以内に収めていたところも感心いたしました。  文章の表現力も多彩で分かりやすく、地の文と会話文も非常に心地よかったです。その場の情景が目に浮かび、読者の想像力を上手に誘導している文章力が素晴らしかったです。

優秀賞

初恋ディール谷崎トルク

二人にとってそれは初恋だった――。

運営コメント

 エリート証券ディーラー×訳ありコンビニ店員の格差ラブ!  ひとつひとつの表現方法が自然で、とても読みやすく、展開が気になりあっという間に読めてしまいました!  大神の「純粋なものを暴きたい」「手に入れたい」という傲慢な思考と、周への「大事にしたい」「もっと知りたい」という心からの感情が入り乱れて葛藤する気持ちが人間味あふれており、周への執着が感じられて一気に惹き込まれました。  証券ディーラーという職業柄を利用した内容で、引きのある文章作りが大変上手です。  互いの気持ちが徐々に近づいている様子が、交互に展開する支店の描写から伝わり、次への展開が見事だと思います。それぞれが抱える想いが重なり、そしてまた離れる…大人で大胆な大神と幼く控えめな周という関係だったものが、最後には逆転して周から行動したシーンはグッとくるものがありました。  文字数制限のためか、前半の"危ない"大神がすぐ終わってしまったのが少し残念でしたが、とても素晴らしい終わり方でした。  この3万字内にここまで濃密な作品を仕上げられる作者に圧巻です!

優秀賞

ウォーターメロン・スプラッシュメバチバチコ春木(kindle発売中)

バイのヤリチン×ゲイのヤリマンが織りなす、オフィスラブコメディ。

運営コメント

 ひと夏のアバンチュール♡のはずが、転勤先でばったり出会うなんてロマンチック!オフィスラブならではの、倉庫でのイチャイチャやオフィスでのキス等王道のシーンが散りばめられており、とても楽しくてワクワクしました。バーでの会話も含め、全体的に会話も面白くてテンポよく話が進むので非常に読みやすかったです。  また、男性同士の会話の書き方が非常に上手く、甘いBLが苦手な方やライトなBL小説読者にはおすすめの作品です!  タイトル名と表紙画像がとても印象的で素敵なのですが、「夏」っぽい要素が若干少なく、初見の方には想像しづらかったため、もっとあからさまにストレートなタイトルだとさらに読者が増えるのではないかと思いました。  設定や展開、そして飽きさせない文章力は作者の素晴らしい才能ですので、次回作も期待大です!

優秀賞

ある日突然年上の新人看護師の教育係になりました。すずなり たま

4年目ナースの光は、元自衛隊員の新人ナース・大谷の教育係を任された。

運営コメント

 新人看護師×教育係のラブストーリー!  非常に読みやすく、初心者でも楽しめるようなオフィスラブでした。心情や状況を説明することがとても上手で、作者の表現力が素晴らしかったです!  構成の点ですが、冒頭で光の癖を暴かず、数ページ進んだところで「実は…」と語りだす手法に感心いたしました…「どちらがどうなのか」と気になるところで、一気に物語に引き込まれるきっかけになりました。  また、看護師の仕事内容が非常に細かく、まるで実際に病棟にいるかと錯覚するほど分かりやすかったです。  濡れ場シーンでは大谷が普段とは違う、ガツガツした感じでギャップ萌えだったり、大谷が激しい誤解をしていてとても面白かったです!  「年上の後輩」というなんともツボをついた可愛いノンケ攻めと、不器用で素直になれないゲイの年下先輩受け…最高でした!

優秀賞

HOTEL UNIQUE《ホテルユニック》椿ゆず@8/27第①巻発売

ラブホテルではじまる恋 チャラいラブホオーナー×ワケアリ無愛想青年

運営コメント

 ラブホテルではじまるオフィスラブ!  『HOTEL UNIQUE』の日常を織り交ぜながら、自然と惹かれあう律と千尋のズルズルとした生暖かい関係が、非常に切なかったです…。  そしていつもは大人な余裕のある千尋が、律の前でだけ迷子の少年のようになる姿にキュンとした同時に、とても狡い人間だなと憎くもなりました。(あんなに思わせぶりなのに律がかわいそう!)  「見つけてくれてありがとう」とふいにカッコ良くなる千尋に、さらに堕ちていく律が本当に幸せそうで、自然と温かくなりました。最後の千尋の宣言が潔く男気に溢れていたので、律にはこれからも安心して恋も仕事も頑張って欲しいです!  文章の構成力は、相変わらず素晴らしく、今作でも多くのファンを獲得したのではないでしょうか。次回作も非常に楽しみです!

優秀賞

黒の執愛~黒い弁護士に気を付けろ~ひなた翠

真面目に仕事をしたい弁護士と恋人とイチャイチャしたい弁護士の甘いオフィスラブ

運営コメント

 「スパダリ腹黒な後輩×真面目で純情な先輩のラブラブ弁護士カップル」という、大変分かりやすく萌え要素の詰まった作品でした!  スパダリ後輩が大学時代から片思いをしているというシチュエーションでしたが、先輩の方もちゃんと想い合っている設定は読んでいて心地よかったです。  3万字という短編のなかに、2人以外の人物がたくさん登場していますが、しっかりと関係性・性格も表現されており、事件も解決まで書き切っていて、かなり読み応えのある作品に仕上がっていると思いました。  また、非常に読みやすい文章で、作者の表現力は素晴らしいです。メイン2人のそれぞれの目線に切り替えているところは、視点を変えて感情移入しやすい構成になっていたと思います。  小林がなぜ小野寺にここまでゾッコンになったのか…この2人の出会いの物語もぜひ読んでみたいです!

優秀賞

秘密のきつねちゃんゆきじ

先輩リーマン×実はキツネ

運営コメント

 「オフィスラブ」というテーマの中に、まさか「狐」が人間として生活しているというファンタジー要素が組み込まれていることに驚きました…!人間としての生活と、狐としての生活…どちらも詳細に描かれており、読んでいてとても新鮮でした。  新幹線内で起きたハプニングから段々と正体が明かされていく流れがとてもスリリングであり、ハラハラさせられるシーンもあり、逆にほっこり癒されるシーンもあり、最後まで楽しく拝読できました。  徐々に増えていく木ノ下さんの狐グッズとその熱に押し切られてしまう狛崎がとても可愛かったです!  文章表現力もとても素晴らしく、違和感なく「狐人間」というものを読者に受け入れさせてしまう説得力がありました。結末はこの先を期待させる終わり方でしたので、ぜひ今後の二人と、幼馴染の桃矢、取引先とのお話も読んでみたいです!

優秀賞

最強のパン屋さんなかじまこはな

ぼくはおおきくなったらさいきょうのぱんやさんになります。

運営コメント

 「THE 泣けるBL」でした!  亡くなった父親の元にいる母親のために田舎へ転勤希望を出した主人公と、学生時代に迫られた幼馴染との再会…彼らの方言の効果でより一層ピュアな物語となり、読んでいる時間中ずっと胸がほっこりしておりました。  商店街全体が一護のパンを食べて涙するところは感動的で、どうしても一護にパン屋をやってほしいと囲い込む街の人たちからは、人情味のある田舎の暮らしを連想させてくれます。次第に父親の偉大さを実感する一護にほろりとするシーンも入っており、単純なBLではないところに好感が持てました。  父のパン屋を継ぐことになった一護に寄り添う恭平の一途で健気なところがとてもキュンとしました!2人の関係性が対等で、口喧嘩をしながら情事に及ぶシーンは、「青春もの!」という感じで萌えます!  一護にはぜひとも10年待った恭平を癒してあげて欲しいですね!そして、十五夜のパンが全国に広まりますように…。

優秀賞

Happiness is an option/幸せの選択近衛茉莉亜

英国ロンドン老舗デパートの紳士靴売り場で働く美しい青年ルシアンを巡る年上攻めと年下ワンコ攻めの恋物語

運営コメント

 英国ロンドン老舗デパートの紳士靴売り場が舞台の、全員片想いの切ない恋物語。  プレイボーイのリアムが真剣な恋に堕ちたのは、業績三年間No.1の不愛想なブルーアイズのルシアンで、彼には何年も待っている想い人が…叶わない恋を一途に想う登場人物たちの心情がとても切ないお話です。  作者の描く丁寧な人物描写とロンドンの風景が、読者の想像力をより掻き立てており、非常にリアリティがあり素晴らしかったです!  キャラクターもそれぞれの個性があり、それぞれ異なる形で「片想い」を抱えている様子で、飽きない構成でした。  普段外国を舞台にした物語に触れない方でも最後まで楽しく読了できる作品です!

開催中のコンテスト