セリフ縛り短編小説コンテスト
セリフ縛り短編小説コンテスト受賞作品発表
決められたセリフを使って短編を!というルールだった今回のコンテストですが、なんと1回目を上回る応募作品が集まりました。皆様本当にありがとうございます!
応募作品すべてを読ませていただきました。どの作品にも、皆様のいろいろなアイデアやときめきが詰まっており、選考に時間がかかってしまいました。申し訳ございません。
お題のセリフをどのように短編に落とし込んでいくか、かなり悩んだ方も多かったように思われます。
しかしそこがアイデアと筆力の見せ所!
お題のセリフから想像されるシチュエーションやキャラクターの性格をダイレクトに落とし込んだ作品もあれば、それを逆手にとってネタとして活かした作品など様々でした。そして短編ならではといった構成の妙を魅せる作品もあれば、長編のワンシーンを切り取ったような抒情的な作品もありました。
その中で短編小説コンテストである今回は、作品としてのまとまりやアイデア、完結性などを重視して選考させていただきました。
優秀作10作品は、それぞれ以下の通りです。
『死神タマゴが雛になるまで。』(著:Haruka)
物語としてしっかり練りこまれており、喩えや伏線、セリフの使い方も素敵でした。3P目で涙ぐんだ運営スタッフもいたほどです! ものすごく読ませる作品でした。
『僕の中で喘げ』(著:チョコキャラメル)
文章にリズムがあって楽しく読める作品でした。上司がほんとうにいいキャラで、実際にこんな人がいたら……!と想像してしまいます。
『すれ違いの金曜日』(著:わらび)
ページをめくるたびにエピソードがかわり、それにあわせて一人称視点もかわっていくテクニカルな作品でした。それぞれの視点から見えるすれ違いが、最後に重なる瞬間が素敵です。
『月光』(著:すいか)
一幕物の短編。同じ一幕物でも、描かれていない関係性や設定を盛り込みすぎた作品が多かったなかで、本作はしっかりとまとまっており、抒情的な雰囲気が魅力的でした。
『天敵との戦い』(著:たかせまこと)
コンテストでは少なかったコメディ作品で、お題のセリフを逆手にとったシチュエーションがポイントです。粗削りでもアイデア一本勝負!というのは、短編ならではですよね。
『溶け出た熱と、甘く黒い痛み。』(著:ゆうも)
抑えきれない感情があふれ出してしまうシーンは、短編とは思えない盛り上がり! 登場人物が二人とも魅力的な作品です。 …そして、方言ってそれだけでときめきですよね!
『好きを伝えて、思い出に。』(著:佐久間)
急展開な部分もありますが、文章が魅力的で引き込まれます。困惑し、心が揺れ動くシーンや、胸に秘めた想いをこらえきれないところなど、丁寧な描写が印象的です。
『掛け金1万円の恋人』(著:逢野れお)
クライマックスが衝撃的! 文字数制限もあって個々のシーンは短く駆け足気味ですが、展開に切れ味があって練りこまれた構成が見事です。何度か読み返してほしい作品です。
『妄想こじらせ男子』(著:ruru)
内容もシチュエーションもR-18に徹した作品です。しかし単調ではなく、きっちり短編としてオチがあり、その結末に向かって妄想が高まっていく構成がポイントです。
『俺の、僕の、可愛い人。』(著:黒縁)
起承転結の構成と仕掛けがまとまっていて、短編として魅力的な作品でした。短いなかにも、細かい仕草の描写や、小悪魔なギャップなど、ときめきポイントがいっぱい!
ゲイであることを隠しているサラリーマンが同僚に告白された話
『俺と付き合ってください』をはじめ、さば缶さんは、今回のコンテストでもっとも多い合計5作品を応募していただきました! どの作品もコンパクトですが、まさに王道な魅力があり、いろいろなシーンやシチュエーションのときめきが楽しめます。 コンテスト応募作品の他にも、さば缶さんは「fujossy」で長編作品『ストーカーです』を連載中!