「コスプレ」BL小説コンテスト
「コスプレBL小説コンテスト」へのたくさんのご応募、誠にありがとうございました!
近年の「コスプレ」というものは年齢・性別を超えて身近で気軽に行えるようになってきており、ひと昔前の認識とはガラッと変化して非常に興味深いジャンルです。
一般的に連想するのは、アニメ・漫画のキャラクターや、ナース・警察官・メイドなどが挙げられますが、今回の応募作品では「女装もの」がやはり多かった印象でした。(BL界隈ではテッパンですね!)
その中で、いかに自分の個性を出すか、物語を工夫するか、それが今回のコンテストの肝だったように思います。
同じテーマ・同じようなコスプレでも、作者の文章力や構成で、作品の雰囲気も変化します。
今回の受賞作品では、物語の設定や展開に個性を感じたものを選出させていただきました!
ご受賞された皆様、おめでとうございます!!
様々な「コスプレ」を感じることができ、非常に萌えを感じることができるコンテストだったと思います!
また、最優秀賞の副賞として【表紙イラスト】をプレゼントさせていただきます!
詳細は公式ブログ(https://fujossy.jp/blogs/211/ )よりご確認ください。
惜しくも受賞からもれてしまった作品につきましては、公式Twitter (https://twitter.com/fujossyjp )にて書評付きでいくつかご紹介させていただきますので、そちらもぜひチェックしてみてください☆
何もない真っ白な空間で、思念体となった俺に出来ることは、SNSを眺める事だけ。少し不思議な物語。
ご受賞おめでとうございます! 冒頭のテンションから結末へと展開する流れに緩急があり、読むにつれてとても引き込まれる作品でした。 SNSが普及する現代社会で、SNSに入り浸り、生活の軸とする人が多くなりました。このお話はそこに着眼し、身体はなくともSNSの画面の中で生活できてしまうという何とも不思議な恐ろしさを描いており、非常に素晴らしいです。 「コスプレ」は非常に簡単に、そして誰でもすることができ、”異質”ではなくなってきた最近だからこそ、この作品により魅力を感じたのだと思います。 頼れる人が1人しかいない中、名前しか知らない互いを信じ、いよいよ実体と対面するシーンは何とも言えず、2人の気持ちがよく伝わってきました。 最後の切ないシーンでもあえて行為を続けるところは、他でもないBLの世界ならではの解釈なのかなと思います。若干物足りない終わり方な気もしましたが、このお話はここで完結していることに作者の美学を感じました。 笑顔であふれる2人の未来を、心より祈っています…!
化学教師と優等生のラブストーリー
好きな相手には健気な広瀬と、余裕ぶった名取の、本能でお互いをむさぼりあう雰囲気が最高に萌えました! 「コスプレ」+「ホクロ」という何ともいえないセクシーワードがさらに2人を盛り上げているのが素晴らしくいやらしかったと思います。 今は余裕のある名取が、将来さらに美人になった広瀬に必死になってしまう様子が見たいです…! 互いの心情を分かりやすく描ききれる文章力をお持ちの作者なので、コミカライズの原作などハマりそうな気がしました!ただ、展開がど定番でしたので、もう少し工夫しても面白いかもしれません。(でもこのベタさ加減が大好きな方も多いはず…) 今作、非常に惜しかったと思います…次回作も期待しております!
弟が好きな相手は、女装姿の俺なはずなのに、「南月、好きだよ」って…?ハッ!?
ゲイではない主人公が、女装姿で段々と弟の手中に嵌っていく様子がたまらなく萌えました…! 主人公のノリやツッコミがとてもポップで、弟の腹黒い計画が進んでいることに気づかないところも読んでいて面白かったです。笑(濡れ場シーンで弟がすでに牙を剥き出しにして攻めているのに鈍感な主人公が好印象でした) 文章がライトノベルのあのノリなのかと思いきや、状況説明、たまに入る主人公の心情の表現も巧みで、緩急をつけた作者の表現力に読者は皆魅了されたのではないでしょうか。 最後が割とあっさり終わってしまったのが少し残念でしたので、ぜひ兄がいなくなったあとの弟側の続編を読んでみたいです…!
女装すると少しだけ罪悪感から解放された。
非常にしっかりとした文章構成と展開で、最後まで一気に読んでしまいました! 冒頭で弥艶がいかに女装が好きなのか、そしてその魅力に圧倒される大友とのじれったい表現にとても引き込まれました。 物語はドラマティックな展開で、トレンディドラマを想像させる2人の関係と結末が素晴らしかったです。 事件後に弥艶の部屋に訪れた大友がケーキを買ってくるところは、弥艶を女性のように扱い、ご機嫌を取ろうと考えた末の行動だと想像するととても不器用で可愛い男だな、と思いました。笑 2人が互いに溺れ合う様子をつい期待してしまうような、素敵な作品です!
連れてこられた猫カフェに、猫はいなかった。
歓楽街にある”猫カフェ”という設定が独創的で素晴らしかったです! 話の構成や運び方が非常に読みやすく、最後までさらっと読了できました。 ただ、クロはなぜ営業で家まで行ったのか、なぜ透に声をかけたのかが描かれておらず物足りなく感じました。 匂わせる終わり方ではありましたが、何もわからないままでしたのでもう少し伏線を張っても良いかもしれません。クロと出会うまでの前置きをもう少しスッキリさせたり、もしくは最初から青年であるクロを飼っている設定でも導入ではかなりインパクトがあるのではないかと思います。 続きの構想などありましたら、ぜひチャレンジしてみてください!