「オメガバース・兄弟・闇BL」BL小説コンテスト
「オメガバース・兄弟・闇BL」BL小説コンテストへのたくさんのご応募、誠にありがとうございました!
今回は、2019年8月に募集したテーマの上位3つのお題より選定させて頂きました。
やはり人気のお題だけあって、皆様の熱量や、内容の濃さが素晴らしかったです!
「オメガバース」をテーマに含めてご執筆された作品では、【バース性】という要素を上手に利用し、オリジナルの設定を入れるなど非常に工夫されている作品もあり、大変興味深かったです。
また、「闇」を要素に含めた作品が多かった印象です。やはり小説を読まれる方はお好きな要素なのでしょうか…?
今回受賞された作品は、どちらも読みごたえがあり、なかなか審査が難航いたしました。
発表までにお時間を頂いてしまい申し訳ありませんでした…!
そして見事、最優秀賞に選ばれた作品は「電子書籍化」いたします!!
正式な配信日など決定しましたらまた追って公式より発表させていただきますので、どうぞご期待ください!
ご受賞された皆様、おめでとうございます!!
様々な「オメガバース」「兄弟もの」「闇」がありますので、この手の作品がお好きな方はぜひ応募作品を読み漁ってみてください!
惜しくも受賞からもれてしまった作品につきましては、公式Twitter (https://twitter.com/fujossyjp )にて書評付きでいくつかご紹介させていただきますので、そちらもぜひチェックしてみてください☆
相容れない存在の獣人に恋をした人間の青年。彼は獣人を振り向かせるために…
最優秀賞、ご受賞おめでとうございます! 「獣人×オメガバース×闇」の要素がギュッと入った、非常に切なく悲しい愛の物語でした。 運命の番であった恋人を亡くした悲惨な過去から抜け出さない美丈夫な黒豹・イェレと、イェレに愛を抱く、主人・ヨアン。「人間×獣人」「年の差」「貧富の差」といった多くの格差を取り入れ、2人の関係がいかに難しいものであるかを、作者の魅力的で丁寧な文章で上手に語っています。 冒頭から一転、次ページではこれまでのお話が始まりますが、そこから一気に世界観に惹き込まれ、最後まであっという間に読了してしまうような怒涛の展開でした。 イェレ側の視点でも描かれており、すれ違う2人の想いにとてももどかしさを感じたと同時に、2人にはどうしても幸せになって欲しいという感情が湧きました。非常に心を打たれる傑作です!
執着の強いα×親友αに失恋したβ
タイトル通り、とんでもなく歪んだ愛情を主人公βに注ぐ攻めαですが、ただそれだけではなく、αでありながら裏ではしっかり努力しているという設定に、非常に好感を持ちました。(最後まで読むと、それは果たして”単なるテスト勉強だったのか…?”という疑念もありますが) 失恋から始まったズルズルとした関係、それが次第にかけがえのないものになっていく…そんな甘い予感から一点、作者オリジナルの設定ではありますが、それがとても意味するものであり、新しい「オメガバース」の世界を見せてくれたと思います。「オメガバース」では、α・β・Ωで区別されますが、そこを裏手に取り、関係性を見事に崩していった設定は素晴らしかったです! また、とてもリアルな表現で展開の運び方や状況説明が自然なため、違和感なく世界観に入りこむことができました。セリフが多くなりがちな情事のシーンでは、しっかりと文章で説明されており感心いたしました! 最後の「とある研究資料」で、この物語にさらに闇を感じることが出来ます…未読の方はぜひ最後までお読みください!
3P・エロ重視・近親相姦・悲恋。有力者兄弟に情婦として囲われているあずさには悲しい嘘が隠されていた。
望まない環境で、無理に強いられる関係…それはすべて自分の家族を守るため。そうして覚悟した主人公・あずさには悲しくもやりきれない嘘が隠されていた――。読了後、すべてを知った読者は本当にやりきれない悲しさに包まれるような、素晴らしい「兄弟・闇BL」でした。 冒頭から始まる「悲しい運命」をこなすあずさは、あらがいながらも次第に悦んでしまう自身の体との葛藤がとても切なかったです。そして読み進めていくうちに夜ごと相手をしている当主の”兄弟”に【違和感】があり、最後に”とある秘密”が明かされたとき、この物語の真相の深さを感じることが出来ました。 時代物ですが作者の語彙力の豊かさ、そして表現力の高さに誰もが夢中になれる魅力があります。 未読の方、ぜひ心に余裕のあるときに読んでみてください!
ドアの隙間から漏れる、秘密と罪と、わずかなひかり。
悲惨すぎる過去のトラウマ――それは、弟にとっても、兄にとっても非常に残酷すぎる「共有の秘密」でした。 始まりは弟であるユキがメインの話であり、家庭教師としてきた純粋に”良い人”な斎木が「過去のトラウマを引きずった引きこもりの弟を愛の力で構成させる」ベタな結末になる…のかと思いきや、みんな救われて、誰も救われない…という闇すぎる終幕で驚きました。 2万字以下という短い文章の中でも独特な世界観に惹き込まれ、作者の表現力・構成力がとても素晴らしいと思います。また、難しい「三人称」での物語の運び方もとても自然で、高評価でした。 兄・利樹と斎木の関係性も非常に気になるところ…この先の結末をつい考えてしまうような、非常に魅力的なお話でした!
美形ヤンデレ(兄弟3人+同級生1人)×平凡。 愛ある強姦/ヤンデレ/学園/総受け/近親相姦
眉目秀麗な兄弟3人から執着される、哀れな平凡主人公…そしてその同室者まで巻き込んだ壮絶な闇BLでした。 現代でありながらどこか違和感を覚えるような狂った兄弟たちと、その執着っぷりが衝撃的な世界観で、冒頭からその片鱗を見せることで「闇」を期待させる面白い始まりだったと思います。 どんどん追い込まれていく主人公と、闇を露わにしていく兄弟たちのやりとりには緊迫感もあり、最後まで読者を楽しませる構成でした。 ラストがいくつか用意されていたようですので、ゲーム感覚でエンディングが分かれるのは面白かったのですが、1つの作品としてどこに着地させるかを上手く消化できたらなお良かったと思います。 兄弟闇BLものがお好きな方、単純な終わり方に飽きた方にはおすすめの傑作です!