「セリフ縛り」BL小説コンテスト

応募受付期間 : 2019/11/01 00:00 ~ 2019/11/30 23:59

「セリフ縛り」BL小説コンテストへのたくさんのご応募、誠にありがとうございました!
発表までお時間を頂いてしまい申し訳ありません…💦

過去にも開催した「セリフ縛り」コンテストでしたが、今回のお題に沿った物語は、どちらもほとんど被ることなくセリフが組み込まれており、とても素晴らしかったです…!
中にはお題のセリフをとても効果的に使用している作品もあり、審査員一同感動いたしました…
同じセリフを使用してもこんなに幅の広い作品が生まれるのですね…素晴らしい!

大変お待たせいたしました…!!
それでは、この度受賞された作品を発表させていただきます。

ご受賞、誠におめでとうございます!!✨

惜しくも受賞に選出されなかった作品につきましては、公式Twitter (https://twitter.com/fujossyjp )にて書評付きでいくつかご紹介させていただきますので、そちらもぜひチェックしてみてください☆

優秀賞

恋愛オンチ草津 玲緒

不器用で下手だからこそ重なった瞬間に綺麗な音色を奏でる――それが恋!

運営コメント

 甘い言葉のセリフから始まり、作者の非常に分かりやすく丁寧な文章力が相まって、読者に期待を持たせるような冒頭でした。  何となく匂わせながらも空回ってしまう2人がとてもじれったく、逆にそこが胸キュンポイントだったと思います。少し受けのかわし方に冷静さが欠けていたような気もしますので、攻めに「脈がない」と思われるような態度にすると、より「すれ違い」が浮き彫りになって良かった気がします。  主人公が相手に想う感情を、香水の香り、手の感触などを使って間接的に表現するのがとても上手です!直接的に表現するより、間接的に表現するには”小説”として技術とセンスが必要となりますが、作者はどちらもお持ちであると感じました。  この先の二人がどうなっていくのか、とても楽しみな作品です!

優秀賞

異世界から帰った俺の嫁は勇者です入野沙織

異世界から日本に戻ってきたら、勇者が高校生で俺の嫁になっていたんだが?

運営コメント

 『異世界王子×異世界に召喚された学生』物凄くベタなストーリー…かと思いきや、すでに旅を終えており、この先どうするのか、少し切ないお話の始まりでした。  冒頭の旅の終わりの描写が非常に分かりやすく、すっと物語に馴染むことが出来ました。  異世界についてそこまで詳しく描かれていないところが、逆に読者へ必要以上の情報を与えずに、メイン二人の話へと運ぶことが出来ているのだと思います。  1万字以内という本コンテスト作品としてはかなり濃い要素が詰め込まれていた気がしましたので、最初から「日本で普通に暮らしているが、実は過去に…」など、すでに戻ってきている設定でも良かったかもしれません。そしてその分「夜の帝王」としての甘いお話に割いても面白かったと思います!  異世界BL作品として非常に読みやすく、面白い作品でした。

優秀賞

インビジブル・ライト~春待つ甥と儚む叔父~薔薇園

生意気な甥(18)×病弱な叔父(42)

運営コメント

 「インビジブル・ライト(不可視光線)」というタイトルの意味が非常に効果的に、そして細部までこだわりぬいた素晴らしい作品でした。  物語は、甥と同居する話がメインとなっておりますが、主人公の姉とかつての恋人が結婚、その息子が甥となることなど、冒頭から主人公がただならぬ事情の環境にあることを勘づかせてくれます。  目に見えるもの、見えないものを主人公は語りますが、その奥の真実が最後に明かされたとき、読者は胸を締め付けられたのではないでしょうか。「俺の身体って、全部お前でできてるんだな」というセリフも、読了後に読み返すととても切なくなり、しっかり意味のあるセリフとして使用されていると思いました。  超短編で綴られた、心に残る傑作です。

優秀賞

恋を知る。小湊ゆうも

イケメン×平凡男子

運営コメント

 非常に心を乱される胸キュン青春BLでした!  「とある電車の、とある車両の、とある席」という限定された空間で始まった2人だけの時間…それを気にしていたのは実は自分だけで…。そんな切ない主人公の思いがひたすら綴られており、自然とその世界に入り込むことができました。すべてが主人公視点となっており、他のことにぶれることなく読み進められ、とても効果的な文章表現だったと思います。  また、お題のセリフも何度も使うことでより意味のこもったものとなっておりました。  少しずつ接点の生まれる2人でしたが、近づけば近づくほど遠くなっていく気持ちに切なくなり、この作中に色についての描写はありませんが、読了後、心に広がったイメージはピンク色でした(※個人の感想です)。きっと読者はみな、読了後に「口角が上がっている」ことでしょう…「ポケットBL」にして読み返したくなるような素敵な作品でした!

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