第一回 fujossy小説大賞・春

応募受付期間 : 2020/01/06 00:00 ~ 2020/03/31 23:59

「第一回fujossy小説大賞・春」に多数の作品をご応募頂き、誠にありがとうございました。
なんと応募総数、259作品!

初めての「fujossy小説大賞」という試みではありましたが、予想を上回る数のご応募と、それぞれの作品の質の高さに、審査員一同、驚きが隠せません。改めて心からの感謝を申し上げます。読み物として非常に面白い作品ばかりで選考には大変悩みましたが、どれも劣らぬ作品ばかりの中から、大賞、そして「審査員特別賞」として二作品を選出させていただく結果となりました。当初は予定していなかった「審査員特別賞」ですが、大賞作品に負けず劣らず非常に魅力的な作品のため、どうしてもという想いから特別に賞を設けさせていただきました。受賞した三作品をぜひ皆様もお楽しみください。

受賞した三作品につきましては、2021年にエクレア文庫より電子書籍化させていただく予定です。どうぞご期待ください。

「fujossy小説大賞」はまだまだ続きます。皆様の自由な発想を描いたBL作品をお待ちしております。

第一回fujossy小説大賞・春
大賞
偏愛獅子と、蜜檻のオメガ伽野せり

獣人・オメガバース・現代ファンタジー【 獅子族アルファ × 人間族オメガ 】

作者コメント

 このたびは第一回fujossy小説大賞・春の大賞に選んでいただき、誠にありがとうございます。  連載当初より読んでくださった皆様、ならびにリアクションをくださった皆様、選考に携わられた方々に心から感謝いたします。  この作品は『獣人オメガバースに自分の萌えを詰めこんだ話を書きたい!』という発想から生まれました。好きなシチュエーションを考えつつ、妄想力を働かせてひとつひとつのシーンを仕上げ、自分自身も楽しみながら書き上げたので、思いがけず良い結果をいただけて感激しています。  まだまだ未熟で修行中の身ですが、読んでくださる方に少しでも楽しんでもらえるよう、これからも努力して参ります。  どうぞよろしくお願いいたします。

運営コメント

 「オメガバース」というテーマはブームを超えてすっかり定着し、新しい作品も次々と発表されています。そのため、同じテーマでありながらその中でオリジナリティがないと、読者からは飽きられてしまいます。  今回大賞を受賞された『偏愛獅子と、蜜檻のオメガ』は、「獣人」と「ヒト」が共存する世界でアルファとオメガが惹かれ合う様子を描いており、獣としての本能や荒々しさ、ヒトのか弱さや苦悩など、決して形式だけでない物語がありました。  そして本作の登場キャラクターも魅力的です。不器用な二人が、獣とヒトという種族の隔たりを超えて互いに惹かれていく物語は完結した後も不思議と思い出し、また始めから読みたくなるほどです。  また、特筆すべきは作者の筆力です。本作は情景描写がとてもすばらしく、読みながら「色」や「匂い」「温度」までもが伝わってくるようでした。読み手を意識し、伝える文章を意識しているからこそ、読者それぞれのなかで物語が広がっていく作品となっていました。作者のこれからの作品も非常に楽しみです。  本作の大賞選出は審査員満場一致で、読者投票でも一位を獲得するという、納得のいく大賞受賞でした。本当におめでとうございます!配信を審査員ともども楽しみにしております。

審査員特別賞

village

このままでは村人全員に犯される……オレは一体どうすれば……

運営コメント

 「異世界転生モノ」はBL業界でも人気が高く顕著に流行していますが、本作で主人公が転生するのは「BLアダルトゲームの穴担当キャラ」という面白い設定でした。この設定だけでも冒頭から期待が高まる上に、主人公を次々と襲うアダルトな展開と個性的なキャラクターたちが物語を盛り上げてくれます。  しかしそんな展開にも関わらず主人公は非常に冷静的で、とんでもない自分の境遇さえもどこか他人事のように分析していく性格が印象的。ライト層でも楽しめるような軽やかな文体と、追い詰められている状況の中に点在する主人公のぼやきも相まって、このボリュームでも最後まで飽きずに読了できました。  小説だけでなく様々なメディア展開など可能性を感じさせる作品でした。電子書籍でもぜひお楽しみいただければと思います。

審査員特別賞

明日もそばにいてDoe

恋人に浮気された柏原衛は憂さ晴らしにデリヘルを呼んだが、現れたのは部下の遠野進一だった。

運営コメント

 大人であるからこそ素直になれず、これまでの経験が邪魔をする……互いに惹かれながらもどうしても伝えられない二人の切ないラブストーリーです。同じ会社の上司と部下が偶然ゲイ風俗のキャストと客の関係となり、それぞれの立場から互いに一歩踏み込めずに進む展開は非常にもどかしく、心を打ちます。  表現の巧みさと次々と引きおこされる展開で、すぐに作者の物語に惹き込まれました。しっかりと考えを持った現実的な主人公の想いに共感でき、嘘のない、非常にリアリティのある作品です。  癖やひっかかりのない文体のため、誰にもそのまま馴染んでしまう不思議な文章力を持つ作者は、最後まで力を抜くことなく書き切る我慢強さも兼ね備えていると感じます。ぜひ長編に挑戦した作品も読んでみたいと思わせられました。電子書籍化で多くの方の目に留まることが楽しみです。

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