この度は「第三回fojossy小説大賞」の大賞に選考していただき誠にありがとうございます。 　作者の白と申します。連載当初から応援をしてくださった読者の皆様、リアクションやコメントで活力をくださった皆様には感謝してもしきれません。 　皆様のおかげでこのような栄えある賞をいただくことができました。重ねて心から御礼申し上げます。 　この作品は流行りに乗って書いちゃえ、なんてどうしようもない動機で生まれたものです。ですが話数を重ねるたびにキャラクターに愛着が湧き、こうして紆余曲折あって結ばれた2人の物語が多くの方々に届いたことが嬉しくて仕方がありません。 　これからも精進して参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。 　この度は誠にありがとうございました。

　スラム街出身の狐獣人であるオメガのソロは、貧しいながら気丈に生きていた。しかしあるきっかけで、自分とは縁遠い場所である王宮で給仕をすることに。 　そこで王族であり、“死神”と呼ばれる虎のアルファ・ヴァイスと出会い、初めてのヒートが訪れ…。 　アルファとオメガの運命により、交わることのなかった人生が絡み合っていく本作。世界観やオメガバース設定を活かし、身分の違いで起きる悲劇やすれ違いがしっかりと盛り込まれ、飽きることなく読み進められます。作品の掴みがうまく、繊細な情景描写で序盤から惹きこまれたという評も多くありました。 　また２人の周囲にいるキャラクターたちも個性があり、作品に説得力と広がりを与えています。 　是非読者のみなさまにもお楽しみいただきたいと、満場一致での大賞受賞となりました。おめでとうございます！

　独自の感性をもち風俗店で働く神田麻陽（オメガ）と気難しいエリートの小鳥遊和真（アルファ）が、ひょんなことで出会い、お互いに影響され成長していくオメガバース作品。 　他の人よりちょっと価値観がずれていて心にキズがある麻陽の言動がとても可愛く微笑ましく、また切なくもあり魅力的でした。特に攻の名前を「ことり」と認識するところは面白く愛らしかったです。そんな麻陽の挙動や言動のひとつひとつに振り回され、小鳥遊の内面が少しずついい方向へ変わっていく変化も楽しめました。 　現代を舞台に、コミカルさも加えつつ、ふたりの心情の変化をしっかり丁寧に表現できている王道のラブストーリーと言える作品でした。著者の今後の作品も楽しみです。