「誰かこの暴君を殴ってくれ!」エイプリルフールSS※(甘エロ)

 

 

「誰かこの暴君を殴ってくれ!」より

 三初要×御割修介

※裏描写がございます、ご注意ください

 

 

 

【都合のいいエイプリルフール】

 

 

「もっ…やめろ、っ…あ、ぁ…」

 

週末の夜、もう日付が変わっている時間なのに、おなじみとなった生意気な後輩とのセックスに、俺はゆるく首を振って許しを乞う。

お互いの汗と体液で湿ったシーツを握りしめるのは、俺の腰を掴んで深くまで押し入る男にすがりつくなんてことはないようにだ。

人の話を聞かないコイツに、トン、トン、と心得たように中のしこりを突かれると、体が痙攣し何度も吐精したのに赤く腫れた勃起からトロリと粘液が溢れて腹をよごした。

 

「あ、あ、いや、もう」

「こんなに俺のこと締め付けてるのに?」

「してない、そんなの…ん、っ、擦れすぎて、痛いんだ、よ、はっ、アぁ…っ」

 

ニヤリと笑う三初が、チュク、と音を立てる結合部に指を這わせる。

何度も激しく抽挿を繰り返され充血して火照った粘膜は、すっかり熟れて痛くなんてない。

 

「嘘つき」

 

心の中を見透かされて、俺はブルリと震えた。

ズブ、と長大なものを根本まで押し込まれ、動きを止めた三初は身悶える俺の勃起をそっと握りしめ鈴口を指の腹でなぞる。

 

「ひ…っ」

 

クチュクチュと先走りが捏ねられ自分の耳に届き、俺はきゅぅ、と中を締め付けてしまった。

「ぁ、あ、」

ねっとりとなぞられ粘液をぬちゃりと遊ばせつつ、握った指は柔らかく肉芯を揉むように動き小刻みに上下する。

その刺激に物申す間もなく、ギチ、と太いものを咥えこんで破れそうなくらい広がっていた入り口を撫でていた指が、ズブ、と入り込んだ。

 

「っ、いっ、ンッやめ、広がらな…っ裂けるから、やめろ…っあ、ぅ」

「大丈夫ですよ、先輩頑丈だから」

「いやだ、みはじめ、ぇ…っ」

 

頭を振った俺が手をもだつかせて足を蠢かせても、三初は楽しそうに両方の手を動かして抵抗を奪う。

ジュプ、と何度も何度もこすりあげられ、俺は腹筋をヒクヒクと波打たせて達しそうな快感に思考回路を引きちぎられた。

 

そのうちに、腹の中いっぱいに飲み込んでいるくせにまだ広がったのか、根本まで入り込んだ三初の指がくっと曲がって腹の中側にある俺の弱い所をコリ、と引っ掻く。

 

「ひっあっ、っ、っあ」

「いつもよりいっぱいでしょう?もうやだなんて嘘つく先輩には、お仕置き」

「あ、あ、」

 

俺の前を手淫していた三初の手が止まった。

ニヤリと笑う三初は、いい所に指を当てたまま女を色めかせる綺麗な顔を楽しげに綻ばせる。

 

「自分で中締めて、襞圧だけでイッて下さい」

「っう、ンッ無理、無理だ」

 

馬鹿な仕置に、ヒクン、とわななく身体。

その申し出は無理に決まっている。まだ自分では中だけで達することができない未熟な身体なのに、収縮する締め付けたけで前立腺を押さえても決め手にはならない。

なのに三初は、ちっとも動かずに見下している。

 

「無理じゃない、俺のおもちゃなんだから、先輩はやらないとダメなわけ。できるできる、ほら」

「んっ」

「さっきまで散々ココで感じてたでしょう…?思い出して、じっくり締めて」

 

三初の言うとおり、まともに力も入らないくらい抱かれた後だ。

こういう時のこいつの声は、何故か耳に染み込んできて脳みそを堕落させ従順にする。

 

「…ん…あ、…っん」

 

気がつけば、俺は言葉通りに懸命に中を締め、ぎゅぅと自ら腰をくねらせていた。

 

「あ…はっ…」

 

内壁が波うっているのがわかる。

呼吸をするように広がり、窄み、肉棒も指もまるごと包み込んで襞に刺激をもたらす。

こんなの、できるわけ無い。

身体は素直に夢中でしゃぶりつき腰をゆらして三初の手に肉芯を擦り付けているのに、俺はゆるゆると首を振ってできないと駄々をこねた。

 

「はっ、先輩の中すごい、」

「んん…っ三初ぇ、むりだ、イケない、もうやだ…だめだ、もうやめる…ぅ」

「我儘だな、…そう言えば先輩、日付変わったんで、今日ってエイプリルフールなんですよ」

「ふっぁ、う、それが、んっ」

 

 だからなんだ、そう思って眉根を寄せて情けない顔で見つめる。

 

「やだやだ言われたら傷つくでしょ?でもエイプリルフールなら、先輩…イイって言ってるんですよね」

「ッんっそんなわけ、あるか、ァあ、っ」

 

手酷い暴論をかざして、三初は意地悪をやめて指を引き抜く。

「あぁ…っ」

ちゅぷ、と引き抜かれて、名残惜しそうに粘膜が吸い付くのが恥ずかしい。

潤んだ瞳で見つめた先には、俺を焦らすより楽しい事を思いついた暴君の、笑顔。

 

「ひっあ、あっ」

足を抱えられ、腰が浮き尻が上がって膝が胸についた。

体内で肉同士が擦れて嬌声が漏れるが、そんな事よりも俺はもうしたくないんだ。

 

 「も、だめだって、なっ中おかしくなってるんだ、だから、だから変になる、っ」

 

 やめろとごねたホントの理由は、出さないで達してしまいそうな感覚が恐ろしかったからだった。

未知の感覚にひよって止めたのに、三初は俺の両手を自分の両手で捕まえ、手をつなぐように両方を封じてタンタンとピストンを始める。

 

「ダメはもっと?くくく、いいですよ、もっと、しましょう。いや、もうやめよう、かな」

「ちがっ、あ、あ、っ、あぁぁっ」

「っく…っ、中でイッてる、はは、射精しないでイケるんですね男って」

「んっん、ん…っ、あっ」

 

ビクッビクッと体中が痙攣して、あっけなくドライで達した自分。

俺は男のプライドがどんどんなくなっている気がして泣きそうだったのに、三初は機嫌よくゴツゴツ突きながら俺の顔中にキスを降らせた。

 

「ふ…っあ、も、もっと、もっとぉ、あ、んっ、」

 

そうやって好き放題抱かれて、エイプリルフールだと言われた俺が、もう勘弁してほしくてそう言い出すのは、当たり前のことだろう。

「三初ぇもっと、んあ、いっぱい、ひっぅ、あっ」

「ん…っ」

「あっ、あ、きもちい、なか、きもち、いっ」

トク、と中のものが大きくなった気がした。喉元までヒトツキにされている。そう感じるほど深く、激しい抽挿。

俺を言葉で辱める余裕もなく攻め立てられ、三初も限界が近いのだとわかった。

俺はもう嫌だといったのに、この、クソ野郎。

 

「みっ三初、なんっか、あっ、すき、だいすきだ、んっんうぅ…っ」

「っ、」

 

ドプ、と薄いゴム越しに火傷しそうな熱い液体が腹の内側の奥に注がれ、俺はそれにゾワッと焚き付ける快感を覚え追いかけるように射精した。

 

━━…嫌いだと言ったのに。

 

握っていた手をギュウ、とあてつけに強く握る。

「く…んぁ…あ…」

肌同士を擦り付けるように何度か浅く揺すられ、トク、トク、と脈打つ陰茎から余韻に浸るようにじっと全てを吐き出される。

俺は折りたたまれながらもぴんと伸ばしていた足をヒクつかせ、体内の熱をきゅう、と舐り自分の射精に酔いしれた。

硬さをなくしたものが俺と三初の間でトプトプと薄くなった精液を漏らしている。三初が出してからも少しの間俺の耳を甘噛みしてきたので、肌の上でクチャ、とやらしい音がなった。

 

ズル、チュク…

「ぅぁ…」

ようやく体内から萎えても大きなものが出ていって、俺はトサ、と押さえられていた足を投げ出して横向きにぐったりと脱力する。

胎児のようにシーツに沈みこむと、ポッカリとあいた秘部がきゅうと締まっては物欲しそうにヒクヒクと戦慄く。ゴムのローションや腸液で濡れたそこは、淡いオレンジの室内灯で卑猥に照らされていた。

 

未だぼんやりとした頭で壁の柄を見つめていると、ガサ、と足元で三初が事後処理をする音がする。

甘い恋人同士でもないのでピロートークなんて期待していないが、後輩に尻を貸す素敵な先輩様に声もかけないのは如何なものか。

別に期待はしてないけど、くだらない喧嘩ばかりとはいえセフレと言うには深い仲だと思うが。

なんでそんな不満を抱くのかはわからないが、口に出す元気はないので心の中で異を唱えていると。

 

「ヨイ、ショと」グイ

「あ…?」

 

何故か三初が、横向きに寝る俺の片足を持ち上げて、新しいゴムを付けぬるりと割れ目にご自慢のイチモツを擦り付けてきた。

「え?あ、なん、ん…?」

「終わりなんて言いましたっけ」

「はっ?ちょ、あっっ…!」

ズプン。ついさっきまでたっぷりと咥えこんでいたそこは中もしっかり開いて、少しの窮屈さも感じる事なくあっさりと根本まで飲み込んだ。

「んん…っ」

さっきとは違う角度での挿入。当然抉られる襞も違えば、雁首がひっかく場所も違う。

 

「やっ、いやだ、もう寝かせ、あ、ぁ、あ」

「ん?イイ?まだ寝かせないで?」

 

都合よくエイプリルフールを利用するな…!

そんな言葉はすぐに喘ぎ声でかき消される。

味の違う交わりに、俺は抵抗も忘れてただされるがまま抱かれる羽目になった。

 

 

翌朝。

「ん……んあ…」

「おはようございます先輩」

ゆるりと微睡みの中目を覚ますと、視界いっぱいに広がる目の前のいけ好かないイケメン面から呑気な挨拶が齎された。

「…なにがおはようございますだこの絶倫野郎っ!」

途端、すぐに昨晩の暴挙が思い起こされ俺は上掛けの中でゲシッと下着一枚の三初の足を蹴りいれる。蹴られたくせに「うわ、」となんの危機感もない声が腹立たしい。

結局何回したか覚えていないくらい抱かれて、三十路近い身体がギシギシしている。

 

「テメェなんか、大っっ好きだッ!」

 

ゲシッ!といい蹴りが入って、俺は昨日散々使われてついうっかりエイプリルフールを叫んだ。

「……」

フン、と怒り心頭睨みつける。

何故かケリを入れた時より驚いて黙り込んだ三初が、ややあって深いため息を吐いた。

 

「俺はアホでうるさくて目つきも口も悪いアンタが大嫌いですよ、間抜け」

「おぅし喧嘩売ってんのか」

 

先輩に対してとんでもない罵倒をする三初に、俺は中指をたてたのだった。

自分に必死な俺が、三初のエイプリルフールになんて、気がつくわけもない朝である。

 

 

 

エイプリルフールって、夢が広がる。

三初ェが御割先輩を好きかどうか、自覚してるのかしてないのかはまだ本編に出していないのですが、このSSでは自覚していますが好きな子をいじめるタイプ。

御割先輩は三初ェの好意はおろか、自分のほんの少しの好意にも気付いてないです。

 

本当は「本日のディナーは勇者さんです。」と「恋の合図は負け犬の遠吠え。」のメインカップルもSS書く予定だったのですが、長くなったのでやめました(焦)

ちゃんと考えていたのですがもうエイプリルフール終わるのでお蔵入りです。悔しいぞ。

 

そんなわけで、突然のエロ小話読んでいただきありがとう御座いました!

本編更新はまだまだ目処が立ってないです!いっそ非公開なレベル。エロの練習で書き始めた小説なので続き考えてなかったのだ…

 

追伸、アトリエブログの使い方はこれで正解なのか。イラストとSSや会話文あげるばかりで、お知らせとかにしか使わないほうが良い気がする。そのへんも、またどうにか落ち着きたいところだ。