「春宵一刻値千金」完結しました
更新しました。完結しました。
「春宵一刻値千金」第9話
https://fujossy.jp/books/12002/stories/235111
第9話にてお話は完結です。
10話目は、この物語のベースとなったSS集です。
さて。
コンテストも、作者当てクイズも、お題アプリも、基本的には同じような気持ちで取り組んでいます。
自分以外の誰かが設定した「縛り」の中での創作は、普段の表現欲求を満たす創作の時とは違う回路を使います。それは大抵の場合「難しい」です。なんせ自然に湧き上がる「萌える!! 書きたい!!!」という動機が不在の状態で書かねばならないので。
たとえば、獣人やオメガバースはそう興味のあるジャンルではなかったので、自然に任せていたら一生書かなかったと思います。でもコンテストのお題として提示されたことを機に、チャレンジしました。結果的には２作書き、まあ入賞もしなかったわけですが(笑)、私自身はとても勉強になったし、苦手をハンドリングできた達成感も持てたし、良い経験となったと思います。
今回の「春宵一刻値千金」は、作者当てSSクイズがきっかけです。私の作品を当てていただいた方には、お礼兼景品として、リクエストお題に従ってSSを書きました。それらを補完しつつ、つなぎ合わせて一遍にまとめたのが今作品です。「つなぎ」のほうが、はるかにボリューミィになってしまいましたが。
SSを書いている段階で後日ひとつにまとめることは念頭に置いていました。登場人物のキャラにブレがないのはそのためです。この時のSSには「博多支社シリーズ」もありますので、こちらもいつか一編にまとめたいと思っています。当初はひとつの作品の中で、東京本社と博多支社、二つのカップルが並行して進行していくように書いていたのですけれども、またも私の悪癖でどんどん長くなって収集つかなくなりそうなので……そんなのは一作品あれば充分だと思い、やめましたw
余談ですが、「春宵一刻値千金」は、私が高校で文芸部に入って最初に書いた作品のタイトルです。15歳にしちゃ渋いタイトルつけたものです。なお内容は全然違っていて、もちろんBLではありません(笑)
高校時代の「春宵」の概要をお伝えすると、あるアパートが舞台で、みんな一人暮らしなんですが、１号室の人が２号室の人とふとしたきっかけで仲良くなり、同様に３号室と４号室、５号室と大家さん……とそれぞれのエピソードがあって、最後はアパートのみんなで花見をする、という話です。私はどうもそういう孤独な人たちが寄り添って生きていく、みたいな話が好きなようで、「春、飛行機雲」もたぶんそういうところから書いた作品です。根本は高校生から変わっていないということですね。
ちなみにそっちの「春宵」は群像劇で誰が主人公というのはないのですが、一番目立つキャラの名前は「祐天寺鳶雄(ゆうてんじとびお)」でした。祐天寺は手塚治虫の「奇子」に出てくる悪役キャラが偽名として使用する名前、鳶雄は同じく手塚の鉄腕アトムに出てくる男の子の名前からとっています。アトムは天馬博士が愛息のトビオを交通事故で失い、「死なないトビオを作りたい」という執念で作り上げたロボットです。(でもロボットなので成長しないわけで、「アトムはトビオじゃない」ことに絶望してアトムを迫害していくのです。アトムも実はなかなか闇深い話です)
あれ、何の話がしたかったんだっけ。
とりあえず「春宵一刻値千金」、完結です。読んでいただけたら嬉しいです。
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