「明日、天気になぁれ。」完結記念ラクガキ +その後の甘いSS

 

おこんにちは!

外雨がすごい上に暴風が吹き荒れています。ヤゴが暴れ倒していると思います、木樫です。

 

ということで梅雨コンテスト作品が完結しました。

「明日、天気になぁれ。」

https://fujossy.jp/books/12303

 

一万字ジャスト、頑張ったなあ木樫、頑張ったぞ…!(セルフよいしょ)

本当はその後の後日談まででちゃんとハッピーエンドだったんですがどうしても足りなくてゴリゴリ削った結果がアレです。わかりにくくて申し訳ない。あと公開当日のブログしょぼしょぼモードだったので感じ悪かったかもだ、面目ねぇ。

 

こちらの作品ご覧いただきまことにありがとうございました!

やはり拙作ですが私は頑張った。日々精進しますので生温く見守って下されば幸い!というよりいつも見守ってくださってありがとうございます、幸せ者ですとも(大感謝)

 

現在忙しいのとスランプとタイマンで殴り合っている状態なのでなにかと更新が遅かったり展開がマンネリしていますが、そのうち暴れ倒すのでしばしお待ちを!

それでは、今回もブログを見ていただきありがとうございます!

 

 

【以下その後の日常・完結ラクガキ】(side香雲)

 

「ヤゴ、今日は?」

「きょうは、はれ」

 

盆に乗った朝ごはんを運びながら声をかけると、ベッドで横になったままのヤゴが未だに舌っ足らずが治らない様子でにへらと嬉しそうに笑う。俺はそんな彼の頭を撫でて同じように笑う。ヤゴの笑い方は穏やかでそよ風のようだ。

 

あの日沢山の力を使い、天気予報通りの天気にするという仕事を放棄して泣き続けたヤゴは、消えてしまいそうなほど消耗してしまった。柔らかな体はひび割れ、折れた翼は痛々しかった。

だけど俺が好きだと言っただけで、ヤゴは泣きながら幸せそうに笑った。そうして空が晴れると漸く崩壊が止まり、俺はボロボロのヤゴにどうにか翼をしまってもらい、雨具でくるんだヤゴを抱えて二人の部屋に帰ってきたのだ。

 

ヤゴは台風の中飛ぼうとしたせいであちこちに体をぶつけ、核が少し傷ついてしまった。そのせいで回復するまでうまく人間のように振る舞えない。

仕事をしはじめると消えかけた存在は戻り翼も日を追うごとに元通りになったが、核はまだまだ時間がかかるみたいだ。言葉が足りないのもその名残。

 

俺は苦しそうに涙する姿を見ることが耐えられなくなった。愛していたからだ。

だけどヤゴは苦しんでなんかいなかったと言った、悲しみ涙することもあるが、それは一時で俺が隣にいるだけで心はずっと晴れていたのだと。

彼は切ないほど……真っ白な愛し方をする。好きな人がそばにいるだけでいいなんて、口に出すより簡単なことじゃない。

だって俺はそうだった。未来を思うと「ずっと一緒にいよう」の一言が言えなかった。どれだけ愛しても終わってしまうかもしれない、人じゃない恋人なんて友人にも家族にも紹介できない、将来性がない。ヤゴが悪いわけじゃないけれど、人目や未来に怖気づいてしまう。

ヤゴは仕事で得た天の世の給金をこっちのお金にして全て差し出してくれるし、家事だって使い方を教えたパソコンでやり方を調べていつの間にかマスターしていた。ありがたいばかりで何も困ることはないのに、全て分かってヤゴは「好きだ」という言葉の続きを求めることはなかった。

本当に俺と生きているだけで幸せなんだと笑っている。

そういう、生き物だった。捨ててはいけなかったのに。……気がつくまで随分遠回りしてしまったな。

 

「かうん、どうした?おなかへってないのか?」

 

ぼんやりとあの日の罪を思い返して苦笑いしていると、心配したヤゴがベッドから眉を垂らして声を上げた。

 

「なんでもねえよ、大丈夫。ただお前は無欲だなって思っただけだ」

「……むよく」

 

本来は手の届かない世界にいる天使が俺に恋して命を助けに舞い降りてきてくれた、そして彼に恋した俺と一緒に生きていこうとしている。その奇跡が既にどれだけ贅沢なことかを罪に与えられた罰で実感した俺は、スキッとした心でヤゴの頭をポンポンと撫でる。

さっきはそれで機嫌をよくしていたヤゴだが、今回は何故か唇をもにもにと動かし照れくさそうに、悩ましそうに視線をうろつかせた。一体どうしたんだ。

ヤゴはややあって横目で俺を見つめ、少しおどおどとした様子で言葉を紡ぐ。

 

「……おれが、その…よくをもっていても、かうんはひかないか?」

「ん?当たり前だろ、寧ろお前はわがままを言わなすぎるんだ。もっと俺にどうして欲しいか言ってもいいいんだぞ、迷惑に思うことはないからな」

「ほ、ほんとに?」

「あぁ、本当に」

 

目を合わせてしっかりと言い聞かせる。壊れてしまい泣きやめなくなるくらい嫌だったくせに俺が酷いことを言って追い出した時ですら文句も言わずに出て行ったヤゴは、心配なほど尽くし系で困る。

そうするとヤゴはほんのりと真っ白い頬を桃色に染め、爆弾を投げつけてきた。

 

「━━おれは…かうんと、せ、せっくすしたい」

「…………ヤゴ、それどこで知ったんだ」

「ぱそこん。あと、おれがあのようぉっちゃーをまぜていると、たまにそとでしているにんげんたちがいた。だけどそとはよくないと、ぐーぐるせんせいはいっていたんだ」

 

ありがとうグーグル先生、そしてコノヤロウ変態共め。

俺は外も中も真っ白な神使だったヤゴがいつの間にか性知識をつけていたことに驚愕し、そして俺としたいと言ってくれたことで、取り敢えずいろいろ準備のために買い物に行くことにしたのだった。

ヤゴは相変わらずにへらと笑って「おれもついていく」と起き上がったが、それだけは断固拒否した。ああもう、こうなったら不埒上等だな。まあ一生添い遂げるのだから、構わないだろう。