いじわる社長の愛玩バンビ番外編・竜次郎と湊
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バンビちゃんの方もようやく山場にたどり着きました。早く幸せになって欲しいと願いつつせっせと書いています。
48話を書いていたら何となく思い浮かんできた某二人の会話を、いつかと同じようにメモがわりにおいていきます。
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朝食の際、ふっと昨晩の謎を思い出した湊は、物知りな竜次郎ならばわかるかもしれないと、聞いてみることにした。
「ねえ竜次郎。『アウトなサービス』ってなんだと思う?」
「は?…んな突然聞かれてもな…その『アウト』は前後の会話によって変わってくるんじゃねえか?」
「実は昨日お店でかくかくしかじか」
望月とのやりとりを説明すると、竜次郎はなぜか突然怒り出した。
「はああ!?その、副店長とかいう奴はあれだろ、お前狙いだろ」
「突然どうしたの?絶対違うと思うけど…」
「いや、絶対ェそうだ!その『アウトなサービス』は俺以外にするのは絶対に不可なやつだからな!」
「竜次郎以外駄目なサービス…………あ、エッチなことかな」
「そうだ。そんな発想が出てくること自体お前をそんな目で見てるって証拠だろ」
「ええ…?副店長は絶対違うと思うな」
「それはお前が気付いてないだけだ」
「うーん…。でも副店長はいい人だよ」
「…お前がいい人じゃないって判断する人間を俺は見たことがねえ」
「そ、そうかな…。あ、そうだ。副店長はちょっと竜次郎と似てるところがあってね、頼りになるっていうか、お兄さんみたいな感じっていうか……竜次郎?お仕事?」
湊の言葉の途中で竜次郎はスマホを手にした。
仕事が入ったのかと問うが、答えを聞いて湊は驚く。
「神導に電話する」
「え?今の話の流れで?」
「お前が仕事辞めたくねえってんなら俺も同じ場所で働く。お前を不埒者から守るためにな」
「えっ……、えぇっ!?」
湊は『竜次郎に似ているから信頼できるので安心して欲しい』と伝えたつもりだったが、『自分に似ているのなら射程範囲内ということになる』と逆に竜次郎の不安を煽ってしまったのであった。
無論、電話口の神導は、
『馬鹿なの?不採用』
の二言で切って捨てた。
おしまい。